promise
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頭痛い…朝になり起き上がると頭痛がひどい
隣を見ると元親は背中を向けて寝ていた
「…」
七海さんが好きだからこっちは向かないのかな…
寝ぼけ眼を擦りながら部屋を出てあるところへ向かう
「…誰ぞ」
「入っていい?」
元就が襖を開けてやれば寝間着のままの胡桃が見上げている
「朝からどうした」
胡桃の方に若草色の羽織を掛けてやる
「元親はあたしのことどう思ってるかな?」
「本人に聞けばよかろう」
「元親は…他に好きな人いるから」
「…何?」
「…ほら、茶屋の七海さん。」
七海の好きな色の櫛を渡してきたこと、自分には会う時間がないのに頻繁に七海に会いにいくこと等を話してみる
「なるほど…」
「小さい頃からずっと好きだったけど他に好きな人がいるなら諦めるべきかなって…」
元就は胡桃の腰に手を回す
「胡桃」
「え?松??」
いつもはあまり見ない真剣な目だ
「我と安芸へ行かぬか」
「安芸?」
「我の治める国ぞ。我なら長宗我部の様にそなたを悲しませるようなことはせぬ
我は…そなたを別れた日から忘れたことなどない
ずっと我のものにしたかった…」
「…っ」
正直、もうこんなに苦しいならいくら好きでも元親のそばに居たくないと思っていた
昔から兄の様に慕う元就はずっと自分を覚えていてくれた
何も言わなくても自分の事を解ってくれる
元就の方へ行けば楽なのかもしれない…
「…すぐに答えは出さずともよい
だが、明日の夕方には発つ。
それまでに考えよ」
「………ぅん」
部屋に戻るね、と静かに出ていく
「………」
七海の話を思い出していた
七海は元親と復縁したいがそれには胡桃が邪魔。
元親は胡桃が好きだが上手く行かず助言を求めて七海の所へ行くが七海は助言する振りをして胡桃を傷つける方向へ暗に差し向ける
そして胡桃が子供の頃から好きな幼なじみは我ではないかと考えている
胡桃は元親は自分に興味はなく七海が好きだが七海自体は元親に振り向く気がない
諦めるべきかと悩む
我は胡桃が手に入れば良い。
「…全ては我の手の内よ…」