promise
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何故だ。
毛利元就が来ている間会わせないつもりで七海のところへ行かせてたのに…
何で一緒に戻ってくるんだ
「ありがと松っ」
「これぐらい良い。」
「よ…よぉ」
「胡桃を茶屋へ預けたなら迎えに位行ってやれクズ」
「く……………くず…………」
自分がもっていた胡桃の荷物を元親に持たせさっさと城へ入っていった
胡桃と顔を見合わせる
「あ…あのよ…話してぇことがあるんだ。頼むから…聞いてくれねぇか」
「あの箱のこと?」
「あぁ」
今更何なんだろう
元親に促され部屋へ向かう
そこには小さな頃使っていた桃色の着物が置いてあり、、綺麗に洗われた木箱、それに入っていたお手玉もあった
「これ…」
「悪かったな。胡桃。」
「…思い出したの?」
「あぁ。お前は姫若子と言われた俺を庇ってくれていた胡桃だろ」
涙が頬を伝う
「おいおい…泣くなよ…」
「だって…せっかく会えたのに元親は覚えてないし…名前は弥三郎じゃないし…そのあとやっと会えても元親起きないし…あたし汚いのにあんなの見られちゃうし…」
元親が拭いても拭いても涙が溢れる
「お前は汚くなんかねぇよ」
なかなか涙が止まらない胡桃を見かねて元親は唇を重ねた
「…っ…なん…で」
「…忘れちまっててこんなこと言うのも可笑しいかもしれねぇけどよ、いつもお前といる夢を見てた。見る度恋しかった」
元親は胡桃を抱き締める
「…も……ちか」
抱き締めてきた腕を力を込めて拒むと元親は拍子抜けな顔をする
「元親…好きな人いるのにこんなのしちゃだめだよ…櫛もあたしじゃくて本当に渡したい人に渡して…」
顔を赤くして涙を浮かべたまま小走りで部屋を出ていく
好きな人?
櫛?
渡したい人?
どうゆうことだ?
俺が夢で見てたあの女児は胡桃だ。
ガキの頃から好きだったのは胡桃だけだ。
胡桃がずっと片想いしていた幼なじみは俺じゃねぇのか?
まさか……………元就か??!!
一人行き場のなくなった腕を見つめた