promise

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「くそっ!!また失敗か!!」

爆発して煙をあげる木の残骸

「あ…アニキ…」

「……………今日はもうお仕舞いだ」


「アニキ落ち込んでるな」
「だな」

時間も金もつぎ込んだカラクリが簡単に壊れてしまい肩を落とす

こうゆう時はいつもの場所に向かう

「はぁ……こうゆう時は昼寝でもしねぇと……」

元親の特等席、丘の上の木陰に誰か膝を抱えうずくまっている

「誰だ?」

ゆっくり顔を上げると風に綺麗な栗色の髪の毛がなびく
目が合った瞬間元親は息を飲んだ

雪の様に白い肌にぱっちりとした瞳、少し厚い艶のある唇が妙に色っぽい
見たところ元親より3つか4つ下というくらいだ

「胡桃」

「こんなとこで何してんだ?」

「逃げてた」

「なんだって?」

予想外の返答に驚いた
何から逃げるんだ?

「…冗談だよ」

「あ?」

「海見てただけだよ」

「そ…そうか」

膝を抱えて座る胡桃に目を向けると手首に痣の様なものがある

「そいつぁどうしたんだ?」

「聞いてどうするの?」

なんでこうツンケンしてんだ?
顔も声もなんだかそそる…がこの言い方は何なんだ

「家は?家族は?」

「家も家族もないのー」

あーぁ、と大きく伸びをして胡桃は寝転がるのを見てつられて元親も隣に寝転がる

「…ねぇ」

横を向き真剣な目で見てくる
大きな瞳で飲み込まれそうだ

「夜伽ってしたことある?」

「は??!!」

真剣に何聞いてくるかと思ったら夜伽?

本当にこの女掴めない
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