囚姫

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振り返れば腰に六本の刀を挿している青い服の男
目には眼帯をしていた

「お!独眼竜!久々だな!」

「俺も東軍だ。そんな威嚇すんじゃねぇよ」

元親も大丈夫だ。と言うので苦無を持つ手を話すと目の前まで顔を寄せてくる

「なかなかいい女じゃねぇか。奥州に来ねぇか?」

「やだ」

「肝も据わってんのか。面白い女だな」

長宗我部がやられたら奥州に来いよ!と言うとさっさと出ていった

「元親、あの人やだ」

「…近付くなよ?」

頷く瑠歌の頭を優しく撫でる
やっぱあの独眼竜が見てもいい女なんだよな…


政宗が皆に言い触らしたせいかその後瑠歌を見に来る奴が後を絶たなかった
皆自分のところの忍にと言うが瑠歌は元親がいいの一点張りだ
可愛いこと言ってくれんじゃねぇか


「元親、疲れた」

「だろうな。少し眠っとけよ」

元親に促され膝を借りて仮眠することにした

元親の大きな手が頭を撫でる
そういえばあの日も縁側で飲んでいると眠くなって膝で寝ていた

そんなことを考えながら気付けば眠りについていた


「やっぱ…猫みてぇだな」

近づいたと思えば離れ、こちらが忙しくすれば近づいてくる
そういうところも可愛くて仕方がないんだがな…

そういえば毛利の首に槍を掛けたとき…
「あれは囚われ姫ではない」
と言っていた。
囚われていなければ何だったんだ?

こういうことを考えるのは正直苦手だ。
辞めよう。

明日は早い
俺も仮眠しとかねぇとな

瑠歌の頭が乗る反対の膝を立てて少し目を閉じる
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