retaliation

□04
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「hey…どうした」

眠りについて少ししてから体を動かせばすぐに政宗は眠そうな声で反応する

「ん…厠」

そうか…と政宗は手の甲に口付けをして抱き締めていた体を解放した

布団から起き上がり手を伸ばせば形見の刀。
乾いた金属が擦れる音を鳴らせて引き抜き政宗に馬乗りになり振りかざす


「…綾」

「……っ…」

「どうした?俺の心臓はここだ。喉はここ…好きな方を切りな」

綾の左手を掴んで胸と喉を手で触らせる

「…っ…ごめ…なさ…」

カランっと音を立てて刀を落とし政宗の胸に顔を押し付ける

暖かい手が背中を撫でる

「何故切らない」

「……っ…切れ…な…」

政宗は枕元の蝋燭に手を伸ばし火を付ける
篝火に照らされる綾は両手で政宗の浴衣を掴み泣いていた

落とした刀を拾い上げれば五三の桐の紋

「…やはり…黒川か…」

その言葉に綾は顔をあげる

「…知って…」

「Ah…」

「…知ってて…今まで」

自分達を近くに置いてたの?
それは自分がしたことの償い?興味本意?

「あの中よく生きてたな」

頭を撫でてやると困惑した顔になる

「…?」

「……自分が…したことなのによく…そんな事」

俺がしたこと…?

「どうゆうことだ?…何があった…」

泣き止むのを待ち少しずつ綾が少しずつ話始める

「村が襲われた日、私は山へ山菜を取りに行っていて、帰ったら村は変わり果てていました。
村の皆は死に、私の両親も空を守って死にました。
虫の息の両親に黒川の刀と空を託された後、厩へ行くと伊達の兵が死体の前で話していて、旗が焼け焦げて落ちていました。
黒川は最上の分家なので最上を頼ろうと思いましたが村を襲った伊達に皆の仇を取る為ここまでやって来ました」

ぽつりぽつりと話す綾の言葉をじっと聞いていた政宗が口を開く

「hmm…なるほどな…ここへ来て正解だな」

「………?」

「…村を襲ったのは…最上だ」

「………え……?」

最上の叔父様が…?

「最上が黒川へ行くと情報が入り黒川と繋がりのある俺達は黒川を助けるために向かったが遅かったんだ」

「……ほん…と?」

「Ah…お前が黒川と言うことは太刀筋で小十郎が気付いていた」

ずっと仇と思っていた政宗は…援軍を送ってくれていた…

黒川と勘付いていても何も言わず自分と空を置いてくれていた政宗を殺そうとしていた…


「俺が仇と思っていたのに…何で殺さなかった?」

「それは……」

目を泳がせて言葉に詰まる綾の頭を撫でてニヤリと笑う

「ま、この話はまた明日な。」

寝るぞ!と大きなあくびをして綾を抱き寄せてそのまま布団に潜り込んだ


「…ごめん」

「No problem」
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