火之迦具土神

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なんだか引っ掛かる。
カグツチが別れ際にしていた話。

明日は朝日が登り始めたら出発しよう
胸騒ぎを抑え布団に伏せる
カグツチの渡してくれた力を本気で使えば城くらい槍を一振りすれば簡単に壊せそうだ

この力で守ってやりたい





夕日が沈み、風が少し冷たくなるのを合図に社の扉を閉めようとしたが制止される

「カグツチちゃん…長宗我部の旦那が…」

「……………………え?…」

怖い原因はこれだったんだ
一気に闇に包まれたようなきぶんになる

「どうする?来るなら途中まで俺様が連れていって真田の大将に城まで送ってもらうようになるけど」

「い…行く!」

「城に着くまで風や馬が恐いかもしれないけど俺様たちのこと燃やさないでね?」

と言い終わるが早いかカグツチを抱き上げて薄い雲の上まで飛び上がると凧に掴まる

「怖い…」

今までにない感覚に怖くなり佐助の首に回す腕に力が入る

「大丈夫大丈夫。俺様を信じて」

力を入れて凧を動かすと風に乗り移動を始める


本当にこんなことしていいんだろうか
戦で沢山の人を殺めていても良心がないわけではない
きっと幸村も同じだ


上空は風が強く、簡単に長距離を移動できた

「ごめんね」
風に掻き消された








「そろそろ大将に追い付いたよ」

ゆっくり降下していけば雲が薄れていく
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