ugly duck
□02
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………やっぱり………俺が悪いよな。
杏を見るとなんだか調子が狂う
何と表現したら良いかわからないが気になる
見ていたい触れてみたい
今まで近くにいた女は触れるのなんて簡単だった。
初めて触れるのを全力で拒否する女
部屋を覗けば自分の刀に手を伸ばそうとする杏が居た
「切れるぞ」
びくっとして伸ばした手を引っ込める
「お前何が好きだ?」
「………」
「甘い物か?着物か?」
「………………」
「行きたいとこは?」
「………………………」
短気な政宗は素直にあれが好きこれが好きと言えば持ってきてやろうと思ったがこの反応に腹が立ってくる
「喋らねぇつもりか?」
「退屈じゃないところ」
「Ah?」
「何もすることないし一人でいても嫌なことばかり考えて嫌なんです」
次はどんな方法で桜が何をしてくるか心配だし帰りたいけど帰ったところで自分の居場所なんかないような気がする
ここに居ても政宗がまた何かするかと思うと怖い。
でもどうやら政宗か迷彩服しか頼れる人は居ない。
一人で居ても嫌な方向へ考えてしまう
「……………それ、俺といたいってことか?」
「脳ミソ動いてますか?」
そうと思えばそうとしか考えが行かないタイプの政宗。
「暇なんだろ。どっか連れてってやるよ」
「…いいです」
遠慮すんなと言ってずるずる杏を引っ張って連れ出す
今あたしにとって二番目に一緒に居たくない奴は政宗。