promise

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元親は河野へ近々戦に行くらしく最近慌ただしい。
あの丘へも行っていない様で正直何もすることのない毎日は暇だった為、城下へ行くことにした

と言っても目的も無くただふらふらしていると聞き覚えのある声に呼び止められた

「あ!胡桃ちゃーん!」

「七海さん…」

「一人?」

「はい…元親は近々河野へ行くらしくて忙しいみたいです」

「そうなんだー胡桃ちゃん退屈だね」

そうなんです。と言うとどうぞ、とお茶と饅頭を出してくれた
あまり知らないあたしのこと覚えてて話相手になってくれていい人だな…と思う

「あ!胡桃ちゃんて何色が好きで何色が嫌いなの?」

「え?あー…桃色が好きですね。赤は血を連想しちゃうから嫌い…です」

「そうなの?あたしと真逆なんだねー」

赤っていうと情熱的じゃない?と笑って見せる

「七海さんて元親と長いんですか?」

「子供の頃からの仲良しだからねー。あ、でもちかちゃんの初めての相手ってあたしなのー!」

「……そう…ですか」

もう昔の話だしどうでもいいけどね〜と話す七海の顔を見てうつむく
男って初めての相手忘れられなくなるって本当なのかな
聞くんじゃなかった…


「七海!」

「あ、ちかちゃん」

振り向けばそこには小さな箱を持った元親がいた

「胡桃…何してんだ?」

「退屈だったから抜け出してた!そろそろ帰るね。七海さんありがとう」

「胡桃ちゃん帰っちゃうのー?」


返事もせずそそくさと店を出た
元親忙しいって言ってたのに七海さんに会う時間はあるんだ
それにあの綺麗な箱、七海さんに櫛でもあげるんだろうな


もやもやした気持ちが整理できず気付けばあの丘に来ていた

せっかく会えたのに…これじゃあのまま会わない方がよかった

いつもの木陰で膝を抱えてうずくまる
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