promise
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元親に抱き上げられていた体が解放されたのは見覚えのある立派な建物の中に入ってから
「…………」
「…胡桃」
「なに?」
「……怒ってるか?」
城主が憎いとあれだけ言っていた後その城主が住む城へ連れてきた。
怒っても無理はない
「怒ってないよ」
月明かりが照らす中庭を見ながら呟く
「その木、俺が小せぇ頃からあって冬に綺麗な花を咲かすんだ」
「…山茶花でしょ?」
「知ってるのか?」
何か考えながらぼーっと山茶花の木を見つめる胡桃はいつもより色香があるように見えた
「……あのよ、急に女が泊まる部屋は準備できねぇって言われちまって俺の部屋で寝ることになるんだけどよ…構わねぇか?」
「いいよ。泊めてもらえるだけありがたいから」
悪いな、と申し訳なさそうに元親が言うと仲間が風呂の準備が出来たと知らせてきた
「ここはほとんど男ばっかりで男くせぇ。風呂は胡桃が先に使え」
「一緒に入る?」
「あ?!」
まさかの返事に元親は目を丸くする
「足痛くてまともに歩けないもん」
どうしたものかと考え込む
「…冗談だよ。先にお風呂頂くね。」
ゆっくり立ち上がりよたよたと歩くが足元がおぼつかない。
転けるんじゃないかとひやひやする
「…風呂場まで連れてってやるから!」
とは言ったものの、風呂場で湯の掛かる音がする度、どこを洗っているのかと妄想してしまい気が気じゃない。
何でこんなに気になるんだ?
相手が女だからか?
胡桃だからか?
仲間にそれは恋じゃないかと言われたことを思い出し更に妄想は膨らむ。
今日は寝られるだろうか…