promise
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「アニキーー」
「アニキどこ行った?」
昨日時間を忘れて夜遅くまでからくりをいじっていたためとてつもなく眠たい
城…というより砦近くの海が見渡せる丘に寝そべる
ここち良い風が吹き少しだけ、と思いうとうとする
まただ
子供の頃の夢
薄紫の着物を着た俺と桃色の着物を着た女児
『弥三郎また泣いてるの?』
『ーーちゃん…うん。また言われちゃった』
『弥三郎は強いんだから泣いちゃダメ!!』
『ぼく強くないよ』
『木登りや素潜りだって本当は上手いのに何で見せてやらないの?!』
『ぼく…こんなだから…木登りや素潜りしようとしたら怒られるんだ』
『大丈夫だよ!ーーは弥三郎強いって知ってるもん!』
『うぅ…』
『おっきくなったら弥三郎に守ってもらう約束忘れちゃダメだよ!弥三郎がいじめられたらーーが助ける!』
『うん!』
ア…キ
アニキー!!
ゆっくりと重い瞼を開けると元親の仲間がこちらへ走ってくる
「昨日言ってたカラクリ、あと少しで完成ですぜ!!」
「そうか!もう少ししたら行くから待ってろ!」
「へい!」
丘を降りていく仲間を見送って大きく伸びをする
「確かに覚えてるんだが…名前が思い出せねぇ」
よく見る夢なだけに思い出せないのが悔しい
その女児は確かに自分が小さい時嫌なことを言われたらすぐ出てきて言い返してくれてたり、一人で居ればそばへ来て一緒に居てくれた。
今どうしているんだろう?
守ると約束したものの守る本人が側に居ない。
海を見つめあくびをすると砦に続く道をゆっくり歩きはじめた