囚姫

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産まれたのは尼子に仕える鉢屋衆だと言う
雑賀衆の様な傭兵集団でもあるがどちらかと言えば忍に近い
そこで幼い頃から業を身に付けていて合戦に幼いながらも出ていた。
たが尼子は毛利に攻め込まれた

毛利に殺されると思ったがどういう訳か助かり、毛利に仕えることになったが十三歳のある日からあの部屋にとじ込められたと言う



「何で嫌がらねぇんだ?」

「主様の命令は無視出来ないから」

「…じゃあ、今は俺の命令を聞くのか?」

こくりと頷く

「もう危ない事はするなよ?」

元親は瑠歌の手を掴む

「この手を汚すんじゃねぇ」

「……はい」

「あとな、主様って辞めてくれねぇか?
元親でいい」

「わかった」

少し微笑めば元親も優しく笑う


元親は足枷もしないし叩いたりもしない
久々に人として扱われている様な感覚がくすぐったかった


「元親はいい主様?」

「…いいかどうかは解らねぇが毛利よりは人間味があると思ってるぜ?」

「何で目合わせて話さないの?」

「………いや、色々見えるだろうが」

自由にしてやりたくて連れてきたんだ
そうゆうことをする為じゃない…

さっきから瑠歌は元親を見て話しているが元親はこちらを見ない

変わった主様だな…







「もしかして…一緒に寝るのか?」

こくんと頷く瑠歌。
侍女も勘違いしたようで部屋には大きめの布団に枕が二つ。

「仕方ねぇな」

元親が布団に座ると膝の間に瑠歌が座る

「何してんだ?」

「お仕事」

ぽつりと呟くと元親の帯をほどいて着物を開く

「お…おい!そこはっ」

くわえ込もうとする瑠歌を間一髪で止める

「嫌?」

「嫌じゃねぇけどよ…」

着物を着直して改めて瑠歌に話しかける

「こうゆうことをさせるために連れて来た訳じゃねぇんだ。
こうゆうのは好きな奴とするもんだろ」

元親の言葉の意味がわからないと言った様子で首をかしげる
鉢屋で育って十三歳から毛利に居れば無理もないのかもしれない

「主様を喜ばせるのも仕事って教わった」

「喜ばせる方法はこうゆうのだけじゃねぇ。
無理して耐えることだって違うんだ」

「解らない…教えて?」

少しずつな。と頭を撫でてやれば少しだけ嬉しそうに笑う

大きくあくびをして布団に促す

元親の胸元にすっぽりと収まる瑠歌を見て優しく頭を撫でる

普通に生かしてやりてぇな
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