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「桃様、本当に行かれてしまうのですね」

「あぁ。世話になったな。本当に良くして貰い感謝の言葉では足りないくらいだ。」

「そんな…桃様は私たちの様な者にも同じように接してくださいました…」

初めて青葉城で話して以来ずっと桃の世話をしていた侍女は堪えきれず涙を流した

「ありがとう。すまないがこれを政宗に…」

侍女は必ずお渡し致します。と言うと桃から紙の包みを受けとる。


「おい」

声の方を向くと小十郎が政宗様からだ。と小さな箱を渡してきた

「政宗は…」

「来ないつもりだろう」

そうか…と苦笑いする
「元気で、と伝えてくれないか」

「あぁ。お前も元気でな」

小十郎と固く握手すると孫市に呼ばれ馬を向ける

奥州を後にした
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