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夜中に目が覚めると隣に桃はいない
桃のいるはずの場所には血の跡がある
「shit!…まさか…」
行きそうな所を探すと明かりが灯っている部屋がある
「風呂か?」
中を見ると泣きながら体を擦る桃がいた
「おい…どうした」
「来るな…」
またあの怯える目だ…
「俺がそんなに嫌か?」
赤くなるほど体を擦る腕を止めさせて体ごとこちらを向かせる
「嫌じゃない…けど…怖いんだ」
「この目か?」
「そんなんじゃない…」
じゃぁ何なんだ
肩を掴む手に力が入る
「うっ…政宗に…からかわれる度に自分が…どんどん変わっていくんだ」
「変わる…?」
桃は頷いて顔を赤くして俯く
「毎日…政宗に触られて…声聞いて…最初は嫌だったけど…だんだんそうされるのが嬉しくて…でも政宗には正室が居るからからかわれてるだけで…腕が治ったら出ていかなきゃって思うと苦しくて…そう思ってたら政宗はずっと怒ってて…なんで怒ってるのか解らなくて…小十郎達に話したら政宗に何かしてやれって言われて…腕抜き直して…見てほしくて政宗探してたら…正室としてるところ見てしまって…すごく悲しくて…」
俯いて泣きながら話す桃の言葉を静かに聞いていた
「…さ…佐助に…なんでこんなに苦しいんだろうって話したら…恋じゃないのかって言われて…でもそんなのしたことないから…どうしたらいいか解らなくて…そしたら政宗はもっと怒って…その…痛くて…恐くて…血も…止まらないし…政宗は私のこと嫌いなんだろうなって思ったら悲しくて…全部忘れなきゃって思って…」
静かに聞いていた政宗は桃を強く抱き締めて耳元でsorry…と呟いた