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「あの…」
「桃様!どうなさいました?」

「何か私に出来ることはありませんか?」

侍女が集まる部屋に入り小十郎に言われた通り政宗の為に何か出来ることはないか考えたが思い付かず、いつも桃の世話をしてくれる侍女を頼ることにした

「政宗様の喜ぶことでございますか?」

「何でもいいんだ。良くしてもらってばかりなのに機嫌を悪くさせてしまったから…」

「それではこちらを縫って頂けますか?縫い物であれば左手でもできましょう。」

「ありがとう!このほつれを直せばよいのだな!」

手渡された道具と布を持って笑顔で部屋を後にした

「政宗様の為にわざわざ何かせずともあの笑顔を向けて差し上げるだけで十分だと思いますが…」

政宗も桃もお互い気付いていないのだなと侍女達は笑い合った
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