姫花忍
□05
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乱暴に生乾きの臭いのするタオルで拭かれて顔がひりひりする。
「俺に言えよ」
「…嫌」
「別に今更何言われても嫌わねぇよ」
政宗から手を乗せた膝に目を落として絞り出すように声を出した
「私…元親くんのこと好きか解らない」
付き合い始めたきっかけは元親から『試しでもいいから付き合ってみてくれ』と言われ、彼から逃げられずとりあえず付き合ってはいた。
彼は政宗のくれなかった言葉をくれて、見た目とは裏腹に優しい元親に惹かれた。
でも元親との付き合いが長くなるほど、濃くなるほど、自分の中で政宗が大きくなる。
鼻を赤くして目に貯まる涙を堪えるとぽつりと低い声がする。
「…俺のとこ…帰ってこいよ」
唇が重なり舌が割って入る
歯列をねっとりと舐めてから舌を絡ませ口端から唾液が漏れる
「んっや……らめ…っ…」
「元親としたんだろ?」
小さく唇を噛み顔を一層赤くするとどうやら察した様で、軽々と持ち上げられ黒い布団にくるまれる
何度も肌を重ねたこの布団には変わらず政宗の香水とタバコの匂いがする
久しぶりに臭うその香りが懐かしくて頭が痺れそうになる
「…どんな風に触られた?」
こうか?とTシャツの裾から手を入れてゆっくり指を這わして上がっていく
「やっぁ…っ…」
「…っ」
顔を赤くして甘い声を漏らす桃花の表情は腰にくる。
「俺のとこ…戻らせてやる」
「ひぁっ」
Tシャツを胸上まで引き上げて下着とショートパンツを膝まで一気にずり下げて政宗が上に馬乗りになり動けない
「んっ待って……ぁ…っ…」
首に吸い付いて耳朶を甘噛みされて体の力が抜けていく