立場は違えど

□まさかの再会
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凄絶な戦いがあった14の時からすでに二年がたった。
なんかわかんないけど、応援という形でわたしと京子はあの戦いに参加していた。見るだけだったけど酷かった。最後に敵側のボスのひとが放った言葉は今でも耳から離れない。
"オレは血の繋がった息子じゃねぇ"

それが、どんなに残酷なことか。
二年前もさることながら、いまはなお痛感する。


あれから二年。中学を卒業した私は就職した。
というのもお金がなかったのだ。進学した後に、子供を養うお金が。
実を言うと、14の時の戦いの前に私は突然兄から子供を託された。兄とその彼女との間の子供。避妊に失敗した。子供と彼女のどちらを取るかと聞かれて俺は彼女を取るから、お前が育ててくれと唯一の親の父親までが蒸発した直後に、兄は二歳になる子供を私に置いて消えた。父は私が成人するまでに生きていける程の財産を残していったが、それで子供二人が生きていけるわけではない。
卒業するまでは父の残したお金で生活、卒業してからは昼夜働いて生活保護と教育費で生活。
高校や大学にも行きたかった。けど、自分の子ではないけれど、この子男の子を捨てることはできなかった。

長年住んでいた家を売り、月五万の1DKのアパートに引っ越して、昼は男の子を保育所に預けてカフェで、夜は寝かしつけてから、バーで働いて。せめて男の子が高校に行けるくらいに頑張ろうと思って過ごしてきた。
そうしているうちに、いつの間にか二年がたっていて。京子やツナ君達とはたまに会ったりする。
高校生活を送っている友人を見ると、やっぱりいいなぁと思ってしまう。でも仕方が無いことだと自分に言い聞かせた。
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