悪魔のルフ
□3話
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シンドリアの砂浜に座って、私は旅のことをはなした。
アラジンたちは、楽しそうな顔をしたり、ときには悲しそうな顔をしたり、ときには飛び上がるほどビックリしたりと、いろいろな表情を見せてくれた。
旅の話のほかに、私の過去も話した。
家を焼かれて両親を失ったこと。
契約して、悪魔になったこと。
アラジン「じゃあ、十季さんはもう人間じゃないんだね…?」
『そう言うことになるのかな…』
私は眼帯をはずして、『契約の証』私が悪魔だという証をみせた。
アリババ「…………すごいな、十季は。俺と同じ年で俺以上の経験をしてきたんだな…」
『ふふふっ、そう?……でも、やっぱりいつも、旅の途中で思うことがあるんだ』
モル「思うこと、ですか?」
私は頷く。
『この世界は、残酷だなって』
モル「…………」
アリババ「…………」
アラジン「…………」
『でも、別れがあって出会いがある。死があって生がある。残酷と同時に、美しい世界でもあるんだよね』
アラジンたちは笑った。
アラジン「そうだね」
アリババ「そうだな」
モル「そうですね」
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