悪魔のルフ
□1話
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目が覚めると、私は暗闇の中に立っていた。
何も見えない。
何も聞こえない。
何も感じない。
私、死んだのかな。
なんて考えてみる。
ー ピチャ…ン ー
雫が落ちる音が聞こえた。
その瞬間、痛みを感じた。
『いっ……た………!!』
見ると、左肩が焼けただれていた。
あ、そっか…。
私は思い出した。
家を燃やされたこと、
父様や母様が私を助けてくれたこと、
でも、父様と母様は助からなかったこと。
私、だけ。
信じていた人たちに裏切られ、家を焼かれ、両親を殺され。
醜い、人間どもに。
絶望した。この世界に。
復讐したい。この世界に。
「憎いか?この世界が」
声が聞こえた。
でも驚かなかった。
もう何が起きても驚かない。
『……私に、力があったら…』
父様も母様も、助かったかもしれない。
「力が欲しいか」
力が、欲しいか?
『っ………欲しい!!!!』
「ならば契約しよう。悪魔たちと」
私は首をふった。
「なぜ?」
『私が……私が悪魔になる!!!!』
カッと世界が輝き始めた。
「その言葉、聞き届けた。契約を交わそう。そなたは今日から人間ではない。悪魔だ」
『……… 』
「そなたに私の力をあげよう。その力は強力なものだ。その力で大切なものを守り抜きなさい」
『はい』
「私の名はソロモン。また会おう、十季よ」
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