鬼灯の冷徹 長編

□第一夜
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目を覚ますと見たこともない景色で埋め尽くされていた

触れたことのない大地の感触

吸ったことのない空気

何もかもが知らないものだらけでふと恐怖を覚える

ここはどこだろう

自分は死んだのだろうか

じゃあここは死後の世界?

天国?地獄?

見るからに地獄のような気がする

そうやって考えているのも疲れはじめ私はとぼとぼとあてもなく歩き続けた

どこに行くとか、どこに行けばいいかなんかわからない

ちょっと不安になり立ち止まり

そして下を向いて俯く











「あぁ、やっと見つけた」

頭の上からバリトンボイスが胸に響く

すっと顔を上げるとそこにはツノを生やした人がいた

ツノ....ツノ?なんでツノが....私と同じ...?

「大丈夫ですか、こちらに来るのはわかっていましたがお迎えに上がるのが遅れてしまいました」

「あの....ここは...」

不安気に私は長身の男の人に問いかける

「ここは地獄です」

その言葉にズシンと身体が重くなった

「大丈夫ですか?さ、ここで突っ立ってないで行きましょう」

すっと手を伸ばされるが私はその手をとることはできなかった

無言ですぐに立ち上がり長身の男に目を合わせる

「....何が自分におこったかはご存知ですか?」

自分になにがおこったか

そんなの.....






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