科学室


□空も飛べたら。
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鳥になりたかった少年は、2階から身を投げた

翼なんて生えていない

そんなことは知っていた、みんなだって、少年だって

だけど、今なら飛べた気がしたんだ

親にそう告げると



「 馬ッ鹿じゃないの 」



そんな冷たい言葉が返ってくるだけだった

母親は少年の頬を叩き泣いた

父親はその泣いている母親を慰め、少年を睨んだ



「 ガキみたいなことはもうやめろ 」



少年は、少年にもなれなかった

大人にはなりたくない、ただそう思った




少年は少年にもなれないうちに、大人になった


そして彼は、私立九瓏ノ主学園の教員になった



彼はずっと生徒にはこう伝えていた

まだ大人じゃないんだから今を全力で楽しめ


彼がすっと出来なかったことだ

だけど「彼ら」なら、







彼は考えた、



今なら飛べるはず、と







…終…

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