策士は優しい顔で笑う

□ふぁみりーれすとらん
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夕食を食べに来た店は『ファミリーレストラン』という所だった。そういえばお昼から何も食べてないから、メニューをみたらお腹がすいてきた。
私はオムライスというものを頼むことにした。
2人で好きなものを注文すると店員が「以上でよろしいですか?」と聞いてきた。

「後、ドリンクバー2つお願いします」
シャルナークが笑顔を店員に向けると、その子は頬を赤らめてそそくさと去っていった。
再会した日に思ったが、シャルナークはどうやら女性を惹きつけやすい容姿のようだ。そして本人もそれがわかっているかのような表情の使い方をする、ここ数日でわかった彼のことがそれである。

「シャルってすごいね」

「ん? そんなことよりドリンクを貰いに行こうよ」

立ち上がったシャルナークの後ろに続くと、いろんな種類のドリンクの絵のついた機械に人が並んでいた。

「好きなドリンクが飲み放題なんだよ」

「え! 何それ、凄くない!?」

(ドリンクバーすごい!)

席に戻ってはドリンクバーへすぐ並ぶという行為を私はオムライスを食べながら楽しんだ。
食事中、終始「ドリンクバー、ドリンクバー!」と繰り返していたらシャルナークの満面の笑顔が私を襲った。


「いい加減にしなよ」


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