Too important

□第四訓 第一印象がいい奴にロクな奴はいない
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神「おかわりヨロシ?」

登「てめっ何杯目だと思ってんだ、ウチは定食屋じゃねーんだっつーの。
ここは酒と健全なエロをたしなむ店…親父の聖地スナックなんだよ。そんなに飯食いてーならファミレス行ってお子様ランチでも頼みな!!」

神「ちゃらついたオカズに興味ない。たくあんでヨロシ」

登「食う割には嗜好が地味だなオイ!
ちょっとォ!!銀時!瑞希!何だいこの娘!!もう5合も飯食べてるよ!何処の娘だい!!」

新「まだ5合か…まだまだこれからですね」

銀「もうウチには砂糖と塩しかねーもんな」

『まぁ外で山ほど食われるよりはいいけどね』

登「なんなんだいアイツら…何かあったのかい瑞希」

『見ての通りよ』

登「分かんねーから聞いてんだよアタシは!!ったく…あんなに憔悴しちまって・・・ん?」

神「(むがもご」

『神楽、もうちょっと上品に食べなさいな』

登「ってオイぃぃぃ!!まだ食うんかいィィ!!ちょっと誰か止めてェェェ!!」

『・・・無理ね』




第四訓 第一印象がいい奴にロクな奴はいない




登「ヘェ〜じゃあ、あの娘も出稼ぎで地球に。金欠で故郷に帰れなくなったところをアンタが預かったわけ…」

事情を説明し、お登勢は呆れた目で銀時を見ているが、銀時はふざけんなと言い返す。

銀「馬鹿言うんじゃねーよクソババァ。俺じゃなくて瑞希だ、瑞希」

と、銀時が言うとお登勢は目を点にして神楽と一緒にカウンターに座っている瑞希の方を見た。

登「へェ…あの子がねぇ…」

銀「ッたく…マウンテンゴリラはうちにはもう一匹いるっつーのによぉ」

と、しみじみしているお登勢の真横をガラスコップがすり抜けた。

『なんか言った?』

登・新「言ってません」


銀時の顔に命中したガラスコップ。飛んできた方を見ると、黒いオーラが見えそうな素敵な笑顔で見ている瑞希。そりゃぁ、有無言えません。←

登「バ、バカだねぇ…銀時も。家賃もロクに払えない身分のクセに。あんな大食いどうすんだい?言っとくけど家賃はまけねぇよ。今でさえもまけてやってんだから」

新「え、そうなんですか?」

登「あぁ、いろいろ事情があってね」

と、話しているテーブル組。カウンターの方では。

神「瑞希凄いアル!さっきのどーやったアルか?」

『ん?簡単よ?』

などと話していた。
戻ってテーブル組。

銀「俺だって好きで置いてる訳じゃねぇよ。瑞希が珍しくうちに来いだの何だの言ってるし、有無言わさずなところもあったからよぉ。じゃなかったら置いとかねぇよ、あんな胃拡張娘」

といった銀時の顔にはまたもガラスのコップ。

神「なんか言ったアルか?」

『神楽うまいじゃない』

登・新「言ってません」

どうやら瑞希の真似をしてみたらしい。神楽は内心(瑞希、かっこいいアル!)と、ウキウキしている。

銀「いだだだ…なんでガラスコップ二回も当てらんなきゃいけねーんだよ…」

「アノ大丈夫デスカ?コレデ頭冷ヤストイイデスヨ」

そう言ってきたのは、猫耳の美女・・・ではなく。猫耳も残念な顔の女である。

銀「あら?初めて見る顔だな、新入り?」

「ハイ。今週カラ働カセテイタダイテマス。キャサリンイイマス」

登「キャサリンも出稼ぎで地球に来たクチでねェ。実家に仕送りするために頑張ってんだ」

銀「たいしたもんだ。どっかの誰かなんて己の食欲を満たすためだけに…」

いわずもがな、ガラスコップが…

神「なんか言ったアルか?」

登・新・キャ「言ってません」

と、平和な日常←を送っていると、ガラガラガラっと扉の開く音がした。

「すんませーん、あのこーゆもんなんだけど、ちょっと捜査に協力してもらえない?」

入ってきたのはどうやら警察らしい。

「この辺でさァ店の売り上げ持ち逃げされる事件が多発しててね。なんでも犯人は不法入国してきた天人らしいんだがこの辺はそーゆー労働者多いだろ?なんか知らない?」

『あーそのことか』

新「なんか知ってるんですか?」

『知らない』

新「知らないんかい!!」

『事件のことは知ってるけど、犯人のことは知らないわよ』

銀「俺知ってますよ、犯人はコイツです」

そう言って銀時が指さしたのは神楽。銀時が向けた指は神楽によって反対方向に向けられた、強制的に。

銀「おまっ・・・お前何さらしてくれとんじゃァァ!!」

神「下らない冗談嫌いネ」

銀「てめェ故郷に帰りたいって言ってたろーが!!この際、強制送還でもいいだろ!!」

神「そんな不名誉な帰国御免こうむるネ。それに私、瑞希みたいな女になりたいから、もう少しここで女修行するアル」

『あら、うれしいこと言ってくれるじゃない』

神「まぁ、いざとなれば船にしがみついて帰る。こっち来る時も成功した。何とかなるネ」

と、堂々と警察の前で不法入国暴露。

銀「不名誉どころかお前、ただの犯罪者じゃねーか!」

と、ここで黙って聞いていたお巡りさんがあきれ顔で

「・・・なんか大丈夫そーね」

登「ああ、もう帰っとくれ」

『・・・そうもいかない』

登「なんでだい。ウチにはそんな悪い娘は雇ってな・・・!?」

お登勢が否定しようとしたら、外からエンジン音が聞こえてきた。

キャ「アバヨ、腐レババア」

と言い、キャサリンが原チャリに乗って走っていった。

登「キャ…キャサリン!!まさかキャサリンが・・・」

新「お登勢さん、店の金レジごとなくなってますよ!!」

と、新八。

『キャサリンの後ろに積んでたわね』

と、瑞希。

銀「あれ、俺の原チャリもねーじゃねーか」

と、銀時。

『キャサリンが乗ってったわね』

と、瑞希。

神「あ・・・そういえば私の傘もないヨ」

と、神楽。

『キャサリンの後ろに積んであったわね』

と、瑞希。

新「…あの、もしかしてあの時点で取り押さえること瑞希ならできたり」

『したわね』

銀・新・神「なら捕まえろよ!!!!」

『だって、私には関係ないし』

銀・新・神「・・・・」

そんなことより追うべきでは・・・とお巡りさんが小声で言うと、銀時と神楽が目の色を変えて

銀「あんのブス女ァァァァァ!!」

神「血祭りじゃァァァァ!!」

と、叫び、お巡りさんの乗ってきたパトカーに乗り込みはじめた。

新「ちょ・・・何やってんの!?どこいくの!?」

「おいィィィちょっと待ってェェェ!!それ、俺たちの車なんですけど!!」

と、言うお巡りさんを無視して、神楽が運転、助手席に銀時、後ろ座席に新八が乗ったパトカーは出発した。
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