Too important

□第一訓 天然パーマに悪いやつはいない
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彼等はお茶屋を出たあと、原チャリに乗って道を走っていた。

『ねぇ銀さん、たぶん私たちとんでもないことしちゃったわよ。あれ確か茶斗蘭星ーチャトランセイーの大使よ。国際問題になるんじゃない?』

銀「瑞希、お前相変わらず物知りだな。あ〜やっぱダメだなオイ。糖分とらねーとなんかイライラするわ。」

『まぁね。はぁ、私もカフェイン不足でちょっとイライラするわ、何でこんな時に限って自販機がな・・・」

新「おいィィィィ!!」

そんな話をしていると、後ろからドドドドドドドドドドドという音をたててお茶屋のバイト、つまり新八が息を切らしながら走ってきた。

新「よくも人を身代わりにしてくれたなコノヤロー!!アンタのせいでもう何もかもメチャクチャだァ!!」

銀「律儀な子だな、木刀返しに来てくれたの。いいよあげちゃう、どうせ修学旅行で浮かれて買ったやつだし」

そう言った銀時に、眼を鋭くさせ瑞希が後ろから銀時の首を絞めた。

『おいコラ、ちょっと待ちなさいよ、アンタあれ通販で買ってんでしょうが。何気に値が張るのよあの木刀、簡単に人にあげんじゃないわよ』

っと瑞希は小声ででも低い声で銀時に言った。
銀時は「死ぬ死ぬ」と言いながら、必死に運転している。

新「違うわァァ!!役人からやっとこさ逃げてきたんだよ!!違うって言ってんのに侍の話なんて誰も聞きゃしないんだ!!しまいにゃ店長まで僕が下手人だって」

銀「切られたなそりゃ。レジも打てねェ店員なんて炒飯作れねぇ母ちゃんくらいいらねーもんな」

新「アンタ母親を何だと思ってんだ!!」

そうツッコんだ新八を瑞希は、また密かに「この子、ツッコミスキルだけはあるわね」と思っていた。すると、前に乗っている銀時の口からまた言葉が発せられた。

銀「じゃあ家事ができなくて、いちいちうるさくて、俺のことほとんど理解できない瑞希くらいいらねーな」

『テメー今度は本当にぶっ殺してやろうか!!私は家事得意だっつの!アンタの何にも入ってねェ頭もそれなりに理解してるわ!!何つー失礼なこと言ってんだこの腐れ天然パーマっ!!』

そう言って、瑞希は銀時の首を絞めた。後ろから本気で。その証拠に銀時の目は見開かれ今にも目玉が飛び出しそうである。

銀「死ぬッ死ぬゥゥ!!もしもの話じゃねェか!!お前は要るって意味なんだから怒んなって、ちょっマジで死ぬ!!」

新八ほっぽって2人で喧嘩している。だが、銀時は原チャリを運転しているので、あっちい行ったりこっち行ったり・・・

新「喧嘩すんなァァ!!危ねーだろうがァ!アンタ、僕の仕事とった次は未来を取る気かァァァ!!」

銀「バイトクビになったくらいでガタガタうる・・・」

新「今時、侍雇ってくれる所なんてないんだぞ!明日からどーやって生きていけばいいんだチキショー!!」

そう言って新八はきりきりと怒っていた。そして新八は持っていた銀時の木刀を振りかざした。

銀「・・・瑞希」

『はいはい』

静かに銀時は瑞希に声をかけ、原チャリに急ブレーキをかけ原チャリ後方は地面から離れ、木刀を振りかざし地面から足を離していた新八の股間に直撃。

新「う"っ!!」

そして、瑞希はというと、銀時に返事をした後、銀時の後ろに乗っていたところから立ち上がり、空へ飛んでいた。そして音もたてずに着地。

『アンタねぇ、仮にも同じ男ならそれはやめてあげなさいよ・・・・可愛そうに』

そう言って地面・・・ではなく、原チャリ銀時の後ろ・つまりもともと乗っていたところに立っていた。それに驚く暇もない新八と、瑞希なら当たり前という感じであった。

銀「ギャーギャーやかましいんだよ腐れメガネ!!自分だけが不幸と思ってんじゃねェ!!」

そう言った後、銀時・瑞希・新八の三人は大江戸ストアの前で言い争っていた。

銀「世の中にはなァ、ダンボールをマイホームと呼んで暮らしてる侍もいんだよ!!お前そーゆーポジティブな生き方できねーのか!?」

新「あんたポジティブの意味わかってんのか!?」

『そんなことより、あなた、き○たま潰れてない?その年で潰れちゃったらこの先大変よ。最悪銀さんのと交換してあげるけど・・・』

やはり、どこかずれたことを言っている瑞希は恥じらうこともなく、大衆の面前でき〇たまなどという瑞希。

新「いや、潰れてはないですけど・・・って、アンタはなんつーこと聞いてんだっ!女の人ならもうちょっと恥じらいってものがあるでしょう!それに、この人の貰うくらいならいりませんよ!」

そういった新八と、それもそうかと納得している瑞希。
それに対して銀さんは声を荒げ反論する。

銀「瑞希お前何てこと言ってんの!?銀さんだってまだなくすにゃ早いよ!?その子のいう事にも納得しないで!君も銀さんのこのビッグマンいらないたァ勿体ねェな!!」

と、言った銀時の言葉に対して又口喧嘩が始まる。

『ビッグマンってたまに、もうちょっとデカかったらモテたかなぁって言ってたくらいだからビッグマンじゃなくてリトルマンでしょ。それにもう使わないだろ?何ならそれちぎって売る?いいお金になるわ、小さいから微妙だけど。』

銀「何で知ってんの!?もう使わないってきっとこれからだよ!?小さいから微妙とか言わないで!虚しくなるからァァ!!」

新「アンタら昼間からなんつー話してんだァ!!」

と、そこで新八のおかげで一区切り付きそうになったところでスーパーの入り口から女の人が出てきた。

「あら?新ちゃん?こんなところで何をやってるの?お仕事は?」

新「げっ!!姉上!!」

銀「あ・・・どーも」

『おぉ、結構きれいな人じゃん、だれ』

その出てきた女は新八の姉・妙。見た目こそきれいだが中身はバイオレンスな乙女である。

妙「仕事もせんと何プラプラしとんじゃワレ ボケェェ!!」

そう言って新八を蹴り飛ばし、マウントポジションで殴り始めた。
それを見ながら、引く銀時と「イッツアバイオレーンス」と英語もわからないのに言っている瑞希.

妙「今月どれだけピンチかわかってんのかテメーはコラァ!! アンタのチンカスみたいな給料もウチには必要なんだよ!!」

新「まっ・・・待ってェ姉上!!こんなことになったのはあの男のせいで・・・あ"ー!!待てオイ!!」

エンジン音をたて、銀時は原チャリで去ろうとしていた。瑞希というと、

『メガネ君、大丈夫?』

新「え・・・あ、はい、ありがとうございます。あなたはあの男と一緒に行かなかったんですね」

新八に手を差し伸べ、立たせていた。新八はそんな瑞希を不思議に思い質問を投げかける。

『え?だって・・・』

そう言って瑞希は去っていく銀時の方を指さす。新八もそちらを見てみると、銀時もこちらを振り返っていた。

銀「ワリィ、俺夕方からドラマの再放送見たいか・・・ら・・・」

だが、銀時の後ろには銀時の思っていた女ではなくニタリという笑みを浮かべたお妙だった。

『ほら、君のバイオレンスな姉が乗ってて邪魔で乗れなかったのよ』

新「なんか、スンマセン…」

と、お妙よりも恐ろしい笑顔をしている瑞希を前にして、新八は謝ることしかできなかった。
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