春風、吹き荒れて

□第一章
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桜蘭ホスト部モットーは、

強く

気高く

美しく。




おしん界のホスト星もとい、ホスト部のホストになることになったハルヒはホストとしての心構え、技を環に指導されていた。
だが、本来ならば環とハルヒの会話をお伝えするところだがこれはほかの3人が軸のお話。気になる人は本家を見てくれ。
・・・と、いうわけでその様子を見ながら雑談をしている三人。

光・馨「「なんで殿ってばあんな奴に芸仕込んでんの?ホストにするって言ってもあの見た目じゃ無理でしょ」」

『まぁ、環のことだから貧乏人だから手に職でもつけておくのがいい。という親切心か何かじゃないかな。ものすっごく迷惑極まりないけども』

光「なら、止めれば?あのテーブルの準備したいんでしょ?」

馨「そーだよ、普段なら『環、じゃま。ままごとならよそでやって』とかいって追い払うじゃん」

『いや、まぁそーなんだけど。ハルヒがホストになったらおもしろいしなって』

光「だから、無理だって。あの見た目じゃよっぽど中身が男前じゃなきゃ無理でしょ」

『まぁ、今のままならね。それに、あの子はイイ影響になると思うんだよねぇ』

馨「はぁ?誰の?まさか殿の?」

『環もだけど、2人にも鏡夜先輩にも。それに、あの子はここに来るべくしてきたんじゃないかなーって』

光・馨「「でた、瑞樹の運命感じるぜ発言」」

光「そんなわけないじゃん。って言いたいけど、瑞樹のカンはよく当たるしなぁ」

馨「今までが当たってるっぽいこともあってバカにできないよね、そのカン」

『カンカンって何気に失礼だな、相変わらず。さて、そろそろ準備しようかな。環!!そのテーブル準備するからどいて!!ままごとすんなら別のとこで!でもって、ハルヒを巻き込むな一人遊びに!』

と、大声で辛辣の言葉を吐きながら去っていった瑞樹。残った二人はというと。

光「僕たちにいい影響を与える。ね〜」

馨「瑞樹が言うから間違いなさそうだけど、なんかイヤ予感がするなぁ、僕」

光「嫌な予感?」

馨「なんか、瑞樹が離れて言っちゃいそうな、この関係が終わっちゃうようなそんな予感」

光「なんだよそれ。馨の瑞樹に関する予感は当たったことないじゃん」

馨「ソーダネ。それに」

光・馨「「僕らはずっと親友だよ。瑞樹があの時言ったんだから」」

そう言って笑いあった双子だった。少なからず、馨のその予感が当たるとは知らずに。
そして、開店したホスト部はいつものように大盛況である。環は、綺麗だが少々蛇顔のお客の相手をしていた。

「環様聞きましてよ?血統書のない子猫を育ててらっしゃるんですって?」

環「ああ…子猫と言うには貧相なんだが…困ってるものを放ってはおけないだろう…?」

復活祭とでもいうのか無駄にオーラがいつもよりも輝いている環。そこに、買い出しを言いつけられ出て言っていたハルヒが帰ってきた。

環「お〜子ブタちゃん買い出しごくろー」

『環、ハルヒはブタじゃないよ』

と、たまたま通りかかった瑞樹に指摘されすまんすまん。と謝る環。そして、買ってきた物をテーブルに並べるハルヒ。

環「あ?なんだコレ」

ハ「コーヒーですが。メモにありましたよね?」

『いや、あったにはあったけど。見たことないメーカーだな、もう挽いてあるやつ?』

ハ「ううん、インスタントだよ」

と、ハルヒが言うと2人は目を輝かせインスタントコーヒーをガン見した。

環「おお!!お湯を注ぐだけでできるという庶民のアレか!?」

『すごい!初めて見た!!』

ハ「え、初めて?」

『しー!こういうのはノリが大事なの!ホントは飲んだことあるよ、毎朝飲んでる』

ハ「あはは・・・」

という話をはさみつつ盛り上がる一行。

鏡「へぇ・・・これが噂の庶民・・・」

馨「貧乏人がには暇がないから豆も挽けないというのは本当だったんだなぁ…」

光「庶民の知恵だ」

み「僕一度飲んでみたかったんだー庶民コーヒー」
ハ「買いなおしてきます!!すいませんねー高い豆じゃなくて」

流石に、瑞樹以外の全員にああ言われるとむかつくハルヒ。それを見て苦笑する瑞樹。そしてまだ盛り上がる一行。

環「いや飲む!俺は飲むぞ!!」

光「おー殿―勇気ある―!!」

馨「瑞樹、見てよコレ。100グラム300円だって!!」

『価格破壊だね・・・(ハルヒには悪いけどコイツらの言うことの方が理解できるな)』

み「一杯にも満たないねぇ」

ハ(くそう、金持ちどもが・・・!)

と、話をしていたホスト部一行だがハルヒは、綺麗だが少々蛇顔女もとい、綾小路が嫌味をこぼしたのを聞いていた。果たしてそれは、わざとかそうじゃないのか…。

環「ハルヒ!!こっちに来て庶民コーヒーを入れてみよ!!皆さまお待ちかねだ」

そういった環の方を見ると、ワクワクドキドキ。そんな言葉がぴったりなのではないかというものがハルヒを待っていた。
そして、庶民による庶民コーヒー実演会。カップに粉を入れてお湯を注ぐだけのなんともくだらないことが開催された。

ハ「口に合わなくても知りませんよ?」

環「ふふん!口に合わない?」

そこで、飲むのをためらっていた客の顔に手を添えて

環「口移しならどうかな…?」

「の、飲みます!」

と、ちゃっかりホスト部営業。それをみた瑞樹は、

『やっぱ阿保だなあの人は』

光・馨「「何言ってんのサ、前から分かりきってた事ジャン」」

『それもそうか。庶民コーヒーって意外とおいしいよね』

光「おいしいっていうよりは」

馨「品のない香りとコクなさが」

『後をひくっていうほうが』

光・馨「「『あってるよねー』」」

と、笑い飛ばしながら庶民コーヒーを飲んでいた。瑞樹も毎朝飲んでいるが、その理由が一度飲んでみた庶民コーヒーのなんとも言えない品のなさが気にいってしまったという、金持ちらしい理由だったのだった。




桜蘭ホスト部モットーU
あくなき研究こそがいい男へのしるべなり

環「皆の衆、本日は庶民ラーメンに挑戦する!!各自別々の種類を作ってみること!」

光・馨「「イエッサー!!」」

み「パスタもあるー」

『うどんもあるね』

鏡「焼きそばも」

環「先生の教えに従うように!!」

という、またもくだらない事を始めた環たち。彼らは食べたことないのだから一眼にくだらないとも言えないのだが。巻き込まれるハルヒがかわいそうというのはこれからも時々お伝えしていきたい。先生のたすきを下げたハルヒに従い庶民ラーメン(カップラーメン)を作りながら食していくホスト部一行であった。
その途中、何に感動したのか環はハルヒの顔に手を添えていた。

光「まるで絵にならねぇ馨?瑞樹?」

馨「そうだねぇ光。シチュエーションがまるで計算されてないよねぇ?どう思う?瑞樹?」

『なんでいちいち僕に振るの?まぁ、今更気にしないけども。でもそうだねぇ、環から出てるオーラがあるのに輝かないねぇ』

光「いいか?女は美形同士のホモが好きだ。友情とのはざまで揺れる演出も好ましい。仲のいい者同士だと余計にいい。それにももちろんいろんな種類があるんだけど」

『僕らが組む時は主にそれを使うね。僕ら三人、もしくは僕と双子のどちらかの場合は「親友」っていう戸惑いながらもそういう関係っていうじれったい感じがいい武器なわけ』

馨「双子に愛されてしまう瑞樹 はどちらをとるのかとかね。もちろんそれも好ましいが、僕ら二人の場合だと双子というこの上ない禁断度を武器にできるってわけ。しかもシンメトリーという美しささえ存在する」


という、仲良し1年生ズ。この3人が廊下で一緒にいるだけで悲鳴が起こるほどの人気を誇り性格の相性の良さや、見た目のバランスが取れている。合同接客の人気でいえば1位双子と瑞樹 。2位光と瑞樹・馨と瑞樹 ・ハニーとモリ。という上位常連組である。

光「そして、深い絆の2人に同時に愛されてしまうという構図に」

『僕まで入って自分のために喧嘩する3人』

馨「乙女の究極のロマンだろ?」

といって、ハルヒを取り合うようなそぶりを見せる3人。いきなりそれをされたハルヒは戸惑い流石に顔を赤らめた。だが。

光・馨「「『・・・まぁ君は第一条件すらクリアしてないけどね』」」

ハ(なんで瑞樹はコイツらと居ると生き生きするんだろう、この上なく失礼なのに)

環「うーん、やはり問題はビジュアルに戻ってきてしまうのか…。しかしなぁ…この手のタイプは眼鏡をとってもさらに目が小さくなるくらいで…」

と、環はハルヒの眼鏡を外したところで固まった。次に片手をあげ指を鳴らし部員たちに命令する。

環「光!!馨!!」

光・馨「「はっ!!」」

そういって、ハサミと鏡、美容室などで使うローブのようなものを取り出し髪を切り整える準備をする双子。

環「瑞樹!!メイクの準備を!!」

『もうできてるよ』

メイク道具が入っている大き目の箱を持ってきて鏡の前に準備する瑞樹 。メイクは瑞樹の担当である。たまに双子と仕事を取り替えたりするが。

環「鏡夜は学校指定の仕立て屋に連絡!!モリ先輩使い捨てのコンタクトの呼び合ったら分けて!!」

み「僕はー?」

環「ハニー先輩はケーキ食べてて!!」

み「あーい。・・・あのね、皆忙しいんだって」

しょんぼりしながらお気に入りのうさちゃんとケーキを食べるハニーちゃんだった。そのころ、ハルヒは。

ハ「わーちょっとー!!!」

光「大丈夫だって」

馨「僕らプロ並みだから」

光・馨「「ハイ、かんせーい!瑞樹!」」

と、髪を整えられたハルヒは次に瑞樹のもとに。ちょうど届いた制服とコンタクト。コンタクトを眼鏡の代わりにつけ、メイクを始める瑞樹。

『ハルヒ、目閉じて』

ハ「いや、でも、」

『大丈夫だって、僕らプロ並みだからって双子言ってたでしょ?その僕らの中に僕も入ってるから心配は無用だよ』

といって、手際よく皆と同様軽くメイクをする瑞樹。してない日もあるが、基本的に衣装を着るときはメイクは必須である。
そして、メイクが終わり着替えにいったハルヒ。残りのメンバーは庶民ラーメン大会をして待つ。

光「あ、これうまい」

『一口ちょうだい』

光「ん」

環「こらー!!間接チュウもあーんも許しませんよ!!」

光「何をいまさら」

馨「僕らよくやるし。光僕にもちょーだい」

『ホントおいし』

馨「うまいな、ホント」

と、ワイワイとしながら待っていると着替えが終わったのかハルヒの声が聞こえた。

ハ「あの〜この制服もらっていーんですか?」

そこには、見違えた姿のハルヒが立っていた。
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