ご趣味は何ですか？
□四発目
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名無しさんの趣味は怪人だ。しかし最近趣味が増えた。
それは、サイタマと戦う事。
もう一つはサイタマにご飯をたかりに行くこと。
この日のは二つ目の趣味をしようと、歩いている最中だ。
流石の名無しさんも、タダでご飯を食べるのは申し訳ないのか、片手には白菜が入った袋を持っている。
ご飯は何になるだろうか、白菜のクリーム煮がいいなぁと思い歩いていると、名無しさんの耳に微かな叫び声が聞こえた。
「ん……?」
その声は一瞬ではなく、継続的に聞こえる。なんの悲鳴だろうか。
好奇心が抑えられない。名無しさんは叫び声のするほうへ走った。
怪人か? それともヒーローか?
念のため仮面を被った方がいいと思うが、生憎ご飯を食べるだけだと思っていたので仮面は持ってきていない。
まぁ大丈夫だろう。顔を見られない内にすぐ逃げればいいだけだ。
名無しさんはまた走った。
「あれー?」
叫び声のする場所へ着いた。ここは太陽の光が届かないほど木が生い茂っている。
まだ昼間だというのに暗い。
そしてそんな所に、似合うと言っていいのか、馴染んでいると言うべきか。
スキンヘッドの黒いスーツを着た男性が倒れていた。
一瞬サイタマかと思った名無しさんだがすぐに違うと分かる。
何体も何体も倒れていたから。
その内の一人が、意識があったようで手を伸ばしてきた。
「たた、助けて……!」
ここに怪人がいるのかと考える。
しかし暴れているような音が聞こえない。
一先ず助けを求めてきた者へ告げる。
「落ち着いてくださいー。あと残念ながら私は怪人なので助けられません! 残念!」
「そそ、そんなぁ!?」
スキンヘッドは名無しさんが手を下すまでもなく、勝手に意識を失った。
聞きたいことが沢山あったが仕方ない。
サイタマのもとへ急ぐとしよう、そうしよう。
立ち上がった瞬間、名無しさんの頭目掛けて何かが飛んできた。
名無しさんはそれを頭だけ動かし避ける。
飛んできたものを見る。それは漫画でしか見たことない武器だ。
「クナイ……?」
「誰だ貴様」
声のする方へ振り向く。
そこには紫色のマフラーとちょんまげの髪形をしている、忍者のような人物が立っていた。