ご趣味は何ですか?

□二発目
1ページ/2ページ


ぱちくり、と瞬き一回。
お互い暫く声が出なかった。
まさかの出会い。先ほど会ったばかりなのに。


「え、何でお前ここにいるの?」

「それはこっちも同じセリフなんですが……」

「あ、あーそれもそうか」


しかしサイタマは疑問に思う。
彼女は怪人ではないのか?
怪人は普通に買い物するものなのか?
確かに、見た目は普通の人間ではあるが……。


「そういえば、自己紹介がまだでしたね。私名無しさんといいます。趣味で怪人やってます」


普通に自己紹介もしてきた。
サイタマは反射で頭を下げ、自分も自己紹介していた。


「えっと……俺はサイタマ。趣味でヒーローをやっている」

「ハゲタマさんですね。貴方も趣味なんて、私達気があいますね!」

「おいお前視線がずっと上なんだよ」


名無しさんは、目線がずっと上の方であった。
具体的に言うと、サイタマの頭をずっと見つめていた。
ほぼ初対面であるというのに、なんて失礼な奴だ。
そして名無しさんは更にサイタマを追い詰める。


「職業は何してるんですか?」

「え……。……」

「……もしかしてニー」

「おいそれ以上言うな」

「す、すみません」

「そういうお前は?」

「いやぁ今日は良い天気ですね」


話をすり替えられた事で、サイタマは察する。
そして共通点の多さから、勝手に親近感が沸いてしまった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ