短編

□みにくいみにくい
1ページ/2ページ

「おーい、ボーロースー。飯の時間だってよ」

「バカ名無しさん!!ボロス様だ!!様をつけろ!!」

「いい、ゲリュガンシュプ」

「し、しかしボロス様」

「名無しさんがそういうやつだというのはもう大分前に理解している」

「さすが全宇宙の覇者さんは器が広いね。ゲリュも見習うべき」


全宇宙の歯医者おっと間違えた
覇者の直属部下やってます
元々はある星のお姫様だったんだよ
そんな私が部下なんていうことをやったいきつつを話そうか



ボロスが私の星を滅ぼしにきました
そしてバトる
もちろん私が負けたが


「ここまで俺にダメージを与えるとはな・・・。気に入った。俺の部下になれ」


だと
もう星も滅ぼされてるし、何もすることがないから二つ返事でうなずいた
え?軽すぎだって?
まぁまぁ・・・ここからが長くなるのだよ











王様に子供が産まれた
しかしその子供はあきらかに異質だった
いや、異質なんてものじゃないだろう
あきらかに自分達とは違う生き物な見た目をしていた
そのせい・・・なのかはわからないけど、私を産んだら妃は死んだ
みんなは「呪いだ。呪いの子だ」と喚き散らした
呪いとかいい大人が信じてたんですよ
笑える


さっさと始末するべきだ、といわれていたが誰かが「呪いの子を殺したら、何か災害が起こるのでは」と言ったらしい
だからお城の地下に幽閉され暮らしてた
お世話はメイドの人達がやってくれたけどその人達は決まって言った
「みにくい子」
どうやら私は地球という星の人間という生き物の見た目に似ているらしい
おじい様が教えてくれた


こんな幽閉生活、メイドの人達の汚物を見るような目の中で私がまともに生きられてこれたのはおじい様のおかげだった
おじい様だけが私の味方だった
何もない牢屋みたいな部屋で、おじい様は色んなことを教えてくれたり遊んでくれたりした
私が一番楽しかったのは戦うことだった
「強くなっておきなさい。将来のために」
と、言われてたので暇なときはひたすら体を鍛えていた
それでたまにおじい様と勝負してもらってたわけだ


今、まともな生活になってわかったけど私は結構強いらしい
ゲリュさんよりはたぶん強いよ



まぁそんなこんなで、数年が過ぎた頃おじい様が死んでしまった
寿命だろうけど、お城の人達は言ってた
「呪いの子のせい」
だと。それからしばらく自分が怖くなってた
自分以外の他人に対して完全に心を閉ざした
厨二乙


それでボロスが来たんだっけ
別にお城の人達が殺されててもなんとも思わなかったけど、見つかったから戦っただけ


それで部下に誘われたわけだ
そのときに言ったんだ


「私は、こんなにみにくい見た目なのにそんなのを部下にしていいの?他の人達も怖がるよ」


ハッと笑われた


「みにくい?あいにく俺の部下はそんなのを気にするバカはいないぞ」


実際行ってみたら、ほんとに私のことを見て怖がる人も、気味悪がる人もいなかった
むしろ歓迎されたぐらいだ
さらにボロスは



「お前は自分のことをみにくいとか言っていたが、美人なほうにはいるのではないのか」


初めて、見た目を褒められた。すごく嬉しかった
けど、心を閉ざしたのは中々開かず他人を敬う敬語なんて使えないのだけれど
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ