短編

□ひとときの幸福を
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「・・・ッ!」


自分は、また負けたのか
両腕がなく、その場に這いつくばって動けない


『さぁ・・・終わりにしてやるぜ鬼サイボーグさん』


市民は全員避難できただろう
それができただけで、俺は・・・
いや、正直に言うとまだまだやらなくてはならないことはたくさんある
しかし、しかたない。すべては自分が悪いのだから
自分の力のなさを呪いながら、死を覚悟し目をとじた










目を覚ましたら女がいた
女だけじゃなく、その家族もいるみたいだ
少し話してわかったことは、俺は生きていることだ
生き残ったのか・・・よかった
そしてしばらくこの女と話していると中々つじづまが合わない


自分で言うのもなんだが、結構ヒーローとして有名な俺のことを知らないだと?
怪人やヒーローを知らないでどうやって生きてきたんだこの家族は


キリがないので、帰ることにしたがここはまったく知らない土地、地名で
・・・何が起こっているかわからなかった


いったん部屋に上がらしてもらい詳しいことを話した
女・・・名無しさんというらしい
名無しさんのことや、俺のことなど


そして一つの結論にいたった


ここは俺のいた世界とまったくの別世界で、なぜか俺はここにきてしまったと


なるほど、それなら話のつじづまが合う



行くとかがなかった俺にこの家族は住んでもいいと言ってくれた
大変ありがたいことだ
最初は怖がられた。当然の反応だろう
でも名無しさんは


「へへ、これからよろしくお願いしますジェノスさん!」


と笑顔で言ってきた
俺が怖くないのか?と聞けばかっこいいといわれた
さっきからの発言だと、顔のことを言っているのではなくサイボーグがかっこいいと言ってるのだろう
・・・変な女だ
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