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□06
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隊長たちと挨拶を済ませた後、私はマルコに連れられて船の設備や場所を紹介してもらっていた。

彼は白ひげさんが乗船を許可すると一気に態度が柔らかくなって、一つ一つ丁寧に話してくれるようになった。

元来優しいのだろう。

「ここが、お前の部屋だよい。」

「おぉ〜。」

扉を開けるとそこはベットと机が一つあるだけの簡素な部屋だったが、窓からは海が見え、なかなかいい部屋だと思えた。

さらにそこには私と一緒に流されてきた荷物もあって、ホッとする。

「なにからなにまでありがとう!」

「おぅ…良いってことよ。」

突然降って湧いた声。意地悪な声。

「イゾウ…暇なの…?」

扉にもたれかかるようにして立っている人物に声をかける。

「残念ながら、暇じゃねぇんだ。おい、マルコ。オヤジが呼んでる。」

「分かったよい。じゃあ薫、またよい。」

出て行こうとするマルコにほんとにありがと、と声をかけるとちょっとだけ笑みを浮かび返してくれた。

そしてその場に残される、私とイゾウ。

「なに…人の事じろじろ見て…。」

イゾウはマルコが去った後もその場を離れようとはせず、私をじっと見つめている。

そんな彼にやっぱ暇じゃんと言い返そうかと思ったがやめておく。

「いや…お前さんは確か歌姫と呼ばれてんだよな?」

「そうだけど…。それが何?」

質問の真意を測りかねて思わずうろたえる。

「いや、お姫さんっつー割には男っぽ過ぎやしねぇかってなぁ。何で姫って呼ばれてるんだ?」




失礼すぎる男



(同じようなことを何度もっ…。あんた、そんな見た目の癖に失礼だよな…。)(俺は女には優しくするぜ?)(このやろー!)






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