儚い物語
□GOOD BYE 夏男
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あの夏、私が出会ったやつは...
私を勘違いしていた
そんな純粋ではない事を分かっていなかった
2010年夏
私は夏休みを図書館でバイトという毎日に当てた。
別にお金が欲しかった訳ではない
友達と呼べる程の友達が居なくて
自分の好きな物に没頭したかったのだ
別に真面目な訳でもない
物語の中に逃げていたかっただけ
それなのに、あいつは私を勘違いして
真面目扱いするのだ。否定するのも面倒くさかった。
それくらいあの頃の自分は弄れていたのか
「ねぇ飛鳥は真面目だからさ、ご両親もきっと遅くなったら心配するよね。門限何時?」
門限だと?そんなのあって無いようなものだ
遅くなりすぎなければ良いなんて感じだ
なんせ、家には奈々未と言う門限なんて
あっても守らない自由人な姉がいるのだ
でも、私は門限を早く教えた
「一応、19時まで。夕飯には間に合うようにって」
「ふーん。そんな感じか、結構早いね」
門限なんて聞いてこいつは何をする気なんだ
「あっ、大丈夫だよ。変な事はしないよ」
だから別に私はそんな純粋じゃないのだ
純粋だと思わないで欲しい
そう思っているから私と話しているのだ
キスくらい何回もある。
だからもし好意を持たれていても
期待に応えられないのだから。