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□ラッキーアイテムの行く末
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ほんと、意味わかんねぇよアイツ……
昨日、俺、宮地清志は後輩である緑間真太郎に同性にも関わらず告白されてしまったのだ。
いや、確かに俺もちょっとドキッとはしたけど、そういうんじゃないし!
いや、どうなんだろう……
つーか、アイツ自分の誕生日に告るか、普通。ふられた時の事考えろよ、虚しくなるだけだぞ……
まぁ、アイツは……
『返事はいつでもいいのだよ』
とか言って、終いにはデコにキスされたし……
意識するに決まってんだろ!!
「……どうしたものか……」
そんなこんなで、学校に居ます。
「げっ」
朝から会いたくない奴に会ってしまった。
「人の顔を見るなり、嫌な顔しないでください。」
いや、原因全部お前だからな?!
「あ、挨拶ぐらいしろ!轢くぞ!!」
「……おはようございます」
ったく、一応先輩だから、平常心保って接したいと思うのに、昨日のこいつの顔を思い出して保っていられない……。
「じゃ、じゃあ、な!!」
逃げるように、教室へ向かった。
きっと不自然に思っただろうな。
そういえば、高尾居なかったな。
まぁ、どうでもいいけど。
まぁ、朝からこんな感じだったので、部活でもこんな感じになりました。
少し体が触れるだけでビクついてしまったり、緑間のディフェンスについたときふと顔を上げたとき目が合ってしまって抜かれてしまったり……
今日の俺は散々だった。
「宮地先輩。」
「っ?!な、なんだよ……」
ふいに呼ばれたせいで、声が裏返ってしまった。
「宮地先輩、俺の事を意識してくれていますよね?」
「なっ?!!」
きっと今の俺は顔を真っ赤に染めているだろう。
「な、んなわけねぇだろ。轢くぞっ」
こんなこと言ったって、説得力なんてないだろう。だけど、ここですぐに認めてしまったらダメな気がする。
俺は、目を合わせないように、俯く。
「先輩……」
緑間が近づいてくるのがわかる。
やめろ、それ以上の近づくなっ!
「先輩、俺は宮地先輩が好きなのだよ」
「っ!!!」
また抱き締められた。
耳元で緑間の呼吸音が聞こえる。
それがとても恥ずかしくなってくる。
「み、緑間!!はな、れろ!!」
結構力入れて押してるのに、ビクともしない……、鍛えてないわけじゃないのに、緑間には敵わない。
「先輩、いい加減認めるのだよ」
何をだよ、と言い返そうと思ったのに、
なんて顔してんだよ
なんでそんな苦しそうな表情してんだよ。
「……俺は、ずっと宮地先輩が好きだったのだよ。」
「え……」
「口が悪くて、暴力的で、でも部員のことはちゃんと見ていて、」
「っ」
「そんな先輩が、好きなのだよ。」
なんで、そんな、恥ずかしいことを……!
「ばっ……もう、黙れっ」
「……わかったのだよ」
抱き締める力が強くなった。
「緑間……」
俺は緑間の背中に腕を回した。
「……っ!!」
「しゃーねぇな、認めるよ。」
「え?」
「だからぁ!俺も好きだってことだよ!!轢くぞ!!」
「……先輩…、」
呼ばれて少し見上げれば、目の前には緑間の顔。
目が合った時、俺らはどちらとも無くキスをしていた。
end
→あとがき