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□風邪を引いた
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今日、俺はアイツの電話で起こされた。
『ゲホッ…すまん、今日学校休むことになった…ゲホッゲホッ…はぁ…だから、部活のこと頼むな…ゴホッゴホッ』
笠松が風邪を引いたのだ。
この3年間、風邪を引くなんてこと無かったから、ものすごく驚いている。大きい試合も全部終わって油断したのか、やっと落ち着くことができたからか…
「わかった、ゆっくり休めよ。」
電話越しでもわかる。
あれは相当高熱に違いない。
あまり、無理はさせられないため、一言だけ言って電話を切った。
「そういえば、あいつの親って…共働きだったよな…」
一人で大丈夫なのだろうか。
高熱だと、動くのも相当辛いはずだ。誰かがそばに居た方がいいのではないだろうか…。
だからと言って、一応副主将であるため無闇に休むことはできない。
しかも、笠松によろしくと、頼まれているから尚更。
都合よく体育館工事とかないかな…
「森山センパイ!おはようっス!」
「あぁ、おはよう…」
「あれ?今日笠松センパイいないんスか?」
「アイツなら熱出て学校休みなんだよ。
「え?!あの笠松センパイが?!」
普通の反応だよな、これ。
めずらしいもんな、つか、初めてだもんな、そりゃあ驚くよな。
「お見舞い行かないんスか?」
「行ったら誰が部員まとめるんだよ。」
「え?森山センパイ、昨日の監督の話聞いてなかったんスか?今日部活は休みっすよ?」
………………………まじか。
黄瀬の話によると、今日はなぜか監督の気まぐれで休みだそうだ。
いや、気まぐれってなんだよ。意味わからねぇよ。
おっと、キャラが変わってしまったな、イケないイケない。
いや、本当に意味がわからん!
「だから、森山センパイ!お見舞い行ってあげてくださいね!」
それじゃ、と黄瀬は教室の方まで走っていった。
じゃあ、お見舞いに行ってやるか。
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