krbs

□甘い甘いチョコを
1ページ/4ページ



大好きなあなたに
甘い甘いチョコレートを…



2月14日、好きな人にチョコレートを渡して想いを伝える日。
だから、女の子たちはみんなおしゃれをしていたり、ものすごく気合が入っている。


たが、笠松幸男だけは違った。





「はぁ…どうすっかなぁ…」


チョコレートを作って持ってきたはいいものの、どうやって渡せばいいのか、相手はあのモデル(笑)の黄瀬涼太だ。今頃いろんな女子に囲まれてチョコをもらっているに違いない。


どうせいっぱいもらってるしいっか、と笠松は思った。



「大体、こんな女々しいことなんてやってられるかっての…」


このチョコどうしようと考えていたら、森山がいきなり話しかけてきた。



「さっきからどうしたんだよ、ため息ばっかついて。…あー、恋する乙女ってやつね。」

「乙女じゃねーよ。いや、ただ…渡すのが、な。」

「あー…あ、アイツまだチョコ貰ってないらしいぞ?」

「は?なんでわかんだよ。」

「女子が嘆いてた。」

「あー…でもなんで?」

「そりゃ、当たり前だろう?まぁ、そう言う事だから。渡してやれよ、それ。」



言いたいことが言い終わったのか、そそくさと女子が集まってるところに行ってしまった。


まぁ、とりあえず黄瀬の所に行くか。


笠松はチョコレートをもって、教室を出た。
.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ