krbs
□風邪を引いた
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今日はいつもあまり写さないノートをちゃんと書き、授業も真面目に聴いた。全部笠松の為。
笠松に少しでも正確に教えることができるように。
昼休みも分からなかった所は、小堀や他のクラスメイトに聞いたりした。
そして聞いたことをノートにメモった。
そして放課後、スーパーやらコンビニやらに寄ってから、笠松の家に向かった。
しばらく歩いて、笠松の家の前まで来た。インターホンを押そうとしたが、あることを思い出した。
共働きだってこと。
もしインターホンを押してしまったら、寝てるのを起こしてしまうかもしれない。そうじゃなくても、きっと迷惑だ。
森山は玄関の前で、1人考え込んでしまった。
あ、そういえば…と、森山はある事を思い出した。たしか、合鍵が植木鉢の下に隠してあるはず…
探そうとしたが、すぐに手が止まった。ここは笠松の家だ。勝手に入っていったら、不審に思われるに違いない。つか、思われるだろ。
また考え込んで、仕方なくインターホンを押した。
すぐには出てこなかったが、割と早く笠松が出てきた。
「ん…あれ?…なんで…ゴホッゴホッ」
「まぁ、気にすんな。それより家、上がらせてもらうな、部屋に戻ろう。」
おじゃましまーす、と言ってそそくさと家に上がった。フラフラな笠松を支えながら。
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