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□恋の始まり?
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笠松視点
「先輩、好きです。」
何故いきなりそんな事を言い出したのか俺はわからないし、黄瀬自身も分かってないらしい。
今はレギュラーメンバーで昼飯を食っていた、だかだ。
そんな中で黄瀬が俺の頭を撫でた後、冒頭のセリフだ。
「意味がわからねぇよ。」
とりあえず、今は流すように返事をしてまた食べ始めた。
その間、森山はニヤニヤしてるし、小堀は苦笑いしてるし、早川と中村は気にしてないみたいだが…。
そして、元凶の黄瀬は何故か慌てたように飯食ってる。
何だコイツら、とくに森山。ニヤニヤすんな。
この場所の居心地が悪くなってきた為、俺も黄瀬と同じように急いで食べた。
そして、午後の授業が始まったけど、全く集中ができない。
昼の言葉が頭から離れない。
『先輩、好きです。』
毎日のように好きだって聞かされていて、うざいと思っていた筈なのに。
その時の黄瀬の表情があまりにも真剣で。まるで告白をしているような…
それはありえない。
アイツの好きは“先輩”としての好きだ。
恋愛感情ではない、と思っているけど…
黄瀬の表情が頭から離れない。
「はあ…」
俺は大きな溜息をついた。
せめて、部活が始まるまでには落ち着けるように。