【番外編】
□【柳原学園】腐男子座談会
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《悠里×??》
カシャーンッ、と給湯室に激しい音が響いた。
床には割れたカップ、破片が散らばっているのを見て智也は慌てて屈みこむ。
あぁ、やってしまった、智也は横の髪を耳に掛け、割れた破片に触れた。
するとチクリとした感覚、指を見ると赤い筋が出来ていた。
「おい、どうし…割ったのか」
「あぁ、すみません悠里。直ぐに片付けます」
給湯室に顔を出したのは生徒会長の悠里。
悠里は給湯室の状況を見て一瞬で察したらしい。
悠里の為に紅茶を淹れようとしていたのに、迷惑を掛けてしまった。
智也は自己嫌悪に陥りながら、再び破片に手を伸ばす。
しかし突然、その手を悠里に握られた。
「悠里?」
「お前、血ぃ出てんぞ。素手で触ったのか」
「あ…大丈夫です、大したことでは…」
ありません、と言い掛けた智也は言葉を切った。
いや、遮られたと言っても良い。
悠里が、血が滴るその指をペロリと舐めたのだ。
智也カッとなってその手から逃れようとしたが、悠里はしっかりと握っていた。
「ゆ、悠里…! 汚いですから、止めて下さい…っ」
「汚ぇわけあるかよ。こんなに綺麗な手なのに」
「…っ」
ぬるり、と指を這う舌に、智也はふるりと震える。
直視出来ずに目を瞑っていると、その舌が指の股を滑り思わず声を出す。
「悠里、本当に大丈夫ですから、離して…っ」
「ちゃんと消毒するか?」
「します…!」
「ふーん?」
ようやく離してくれる、そうホッとして目を開ける。
その瞬間、悠里はパクリと智也の指を口にくわえたのだ。
嬲るように舐め、悠里の舌が優しく、そして厭らしく口内で蹂躙する。
言葉無く顔を真っ赤にする智也の指を悠里はちゅっと唾液を舐めるように離して。
「分かれば良いんだよ」
ニヤリと口の端を上げてその場を去る悠里に、智也は床にへたり込んでしまうのだった。
***
瑞「ひょわぁぁぁぁぁあああああ!!」
綾「うわぁぁぁぁあああああ!!」
麗「…っ…!!」
瑞「俺様×敬語王子キタァァァァアアアア!!」
綾「やっばくない?! 副会長クン超可愛くない!?」
麗「生徒会長×副会長という王道ですが、ユウの俺様っぷりが堪りませんね」
綾「指ってあれだよね、舐められたらぞわぞわするよね、舐められたことないけど!!」
瑞「そうッスね。視覚的にも聴覚的にも攻められる」
麗「しかも指だから厭らしくない」
綾「なのにこんなにも厭らしい!! ユーリ会長GJ!!」
瑞「何言ってるか分からないッスけど、これぞファイナルアンサー!!」
麗「日頃から工藤先輩はユウのお世話してるし、十分あり得る話だよね」
瑞「工藤先輩ってカップ落とすことあるんスかね」
綾「これはあれだよ、疲れてるんだよ。で、それを察したユーリ会長が何だかんだ言いながら副会長クンを世話したりするんだよ!!」
瑞「あー、良いッスね!」
麗「…いや、ちょっと待って」
綾&瑞「「ん?」」
麗「もしかしたらこの二人、…昨晩はお楽しみだったのかもしれない」
綾&瑞「「なん…だと…!?」」
麗「腰のだるさでついついカップを落とす…。ユウが指を舐めることで昨晩の情事を思い出す。だからこそ床にへたり込んだ…」
綾「って、ことは…」
瑞「この二人は…」
麗「いつからこの二人が付き合っていないと錯覚していた…?」
瑞「エンダァァァァァァアア!!!!!」
綾「イヤァァァァアアアアア!!!!!」
麗「ウィルオォォルウェイズラァァァブユゥゥウウウ!!!!!」
瑞「まさか麗斗がノッてくれるとは思わなかったッス」
綾「俺も」
麗「俺も腐男子ですから、ノれる時はノるよ」
瑞「で、続きなんスけど」
綾「うん?」
麗「けど?」
瑞「今これ書きながら、『九組書くの大変、無理』って管理人が気付いたみたいッス」
麗「え、今更?」
綾「第一、総受け至上主義者が受け攻めリバ関係なく書くっていう時点で無理ゲー」
麗「むしろユウの攻めを書いた管理人を褒めたいよ」
瑞「この人を嘲笑するかのような麗斗の表情にトドメ刺されみたいッス、管理人」
綾「じゃあ、ちょいちょい妄想しやすいのをピックアップしよーか」
瑞「そうッスね、管理人の知ってることは俺らも知ってるってことで、俺らも松村先輩総受け脳になってるのは否めないッスからね」
麗「メメタァ…」
瑞「しかも麗斗と綾部先輩は当事者ッスからね」
綾「よーし、じゃあ次々行ってみよー!!」
麗「そうですね」
瑞「この微妙な空気。えっと、じゃんじゃかじゃんじゃかじゃんじゃか…じゃん!!」
綾「うわ、副会長クン×俺だ。飛ばそう」
麗「お次は…あ、これはイケそう」
瑞「ではどうぞッス!!」
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