短編

□お前なんか
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やっぱり、男より女だよな。
わかってたし、言うつもりもなかった。

......ううん、言えなかっただけだ。
俺が弱虫だから―――







































あいつの浮気が発覚したのはつい先日。
夕飯の買い物をしてるときに、見てしまった。


『グ、レイ....??』


ルーシィと仲よさげに歩いてるグレイを見てしまった。

.......俺、バカだな〜.......。

男より女だよな。それが自然の定理で。
男の俺に付き合ったのは、多分気まぐれで。


もう、何が何だかわかんなくて気づいたら家にいた。


時計はすでに8時をさしていた。
.......ご飯食べる気起きねーな....。

仕方ない、このまま寝て忘れよう。
何もかも―――
















































それからというもの、俺は徹底にグレイを避け続けた。
次に話すのが最後かもしれないと思うと、俺の弱い心がグレイを避けるようにと言う。

"別れてくれ"とか言われてしまったら俺はもう立ち直れない。



ミ「ユイ、グレイと喧嘩でもしたの??」

『へ??』

ミ「ここ一週間話してるとこみてないわよ??」

『き、気のせい気のせい!!たまたま時間あわねーだけだって』


そう言ってごまかしておいた。



ナ「あー、腹減ったー....。でも金ねー....」

ハ「あい....」

『なら、俺の家来るか??』

ナ「マジで!?!?」

『おぅ!!魚だしてやるし、炎だって肉だって作ってやるよ!!!』


そう言うと、ナツとハッピーは心底嬉しそうに笑っていた。


そして自分の家へ行くために椅子から立ち上がったとき手首を突然掴まれた。




『.......!??!』

グ「わりぃな、ナツ。こいつは俺が先約だ」

『なっ、離せバカグレイ!!!』

グ「黙ってろ」


いつもより低い声。.....なんだよ、怒りてぇのはこっちだっつーの。


そうして無理矢理連れてこられたのはグレイの家だった。
久しぶりのグレイの香りに胸が高鳴る。


グ「....なんで、避けてんだよ」

『........』

グ「彼氏の前で堂々と浮気しようってか??」

『なっ....』

グ「お前は俺のものだ。」

『.......ざけんなっ!!!!』


気づいたらグレイを殴っていて。
俺の心の中に溜まっていたものが全部溢れ出した。





『お前だって....お前だって浮気してたじゃねーか!!!俺がそれをどんな風に見てたか分かんのかよ!?どんな、どんな気持ちで...!!』


目元からは流したくない涙が溢れ出ていた。
でも、拭うことはしなかった。



グ「.....俺がいつ浮気したって???」

『先週っ、ルーシィと....!!』

なんかムカついたからグレイに背を向けてようやく涙を拭った。


あぁ、終わりだな....と感じているとふわりとグレイの香りに包まれる。



グ「......たくっ、可愛いやつ」

『んなぁ....!?!?』

グ「あれ、仕事だ。」

『........へ?』

グ「男女で街の見回りしろっていう仕事。ついでに、お前のプレゼント探しも助けてもらった」






....あれ、全部仕事???え、じゃあ、全部......。


俺の勘違い!?!??
そうと分かった瞬間、全身の血が沸騰した。



『うわー....はっず!!!あーもう何もかも忘れろっ!!!』

グ「忘れるかよ。愛されてるって感じしたし」

『っ〜....!!!』

グ「さーて、とりあえず俺を殴った罰受けてもらわねーとな?」

『あ、いや、あれは....!!!』

グ「言い訳は聞かねぇよ。」

『う、うわぁぁぁぁぁ!!!!!』























こうして、浮気(?)事件は無事に解決したが...........。





























『変態グレイ....!!!』

グ「褒め言葉として受け取る」







































でも、こんなやつが好きな俺は重症だったりする。












































END

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