ボクライブ! 〜男の娘スクールアイドル!?〜
□#2 ライブが始まる!
1ページ/2ページ
『初ライブのおしらせ!』
数日後、掲示板にでかでかとポスターが貼られていた。
言うまでもなく彼女たちだろう。
ポスターの真ん中には発案者の高坂穂乃果さん。
右側には、同じクラスメイトの南ことりさん。
反対側には園田海未さん。
の、三人を模したデフォルメキャラクターが描かれている。
(結局始めちゃうんだなぁ……)
こないだ海未さんは「アイドルは無しです!」って言ってた気がしたけど。
※
教室―――
「ねぇねぇ聞いた聞いた?うちの学校からスクールアイドルが結成されるらしいよ!」
「スクールアイドルってあのA-RISEみたいな?」
「すごーい!」
「頑張ってほしいね〜」
早速教室でも噂が立っていた。
なかなか反応の方は上々みたい。
※
放課後―――
「それじゃあ坂木さん、またねー!」
「うん、また明日。」
クラスメイトと別れ、ボクも帰路へと向かう。
……いっ……!…は…だまだ……
ん、あっちの方から声が聴こえる…?
あっちは確か…神田明神だったはず。
神田明神―――
「はぁ…はぁ…!きっついなぁ……」
「足が動かないよぉ〜」
そこそこの距離がある神田明神の階段をのぼると、大の字で地面に倒れる穂乃果と尻もちをつくことりが共に息を切らす姿が目に入った。
「まだ1セットしか走ってません。ほら立ってください!」
奥でストップウォッチを片手に海未が指揮をしていた。
見た感じ基礎体力作りのトレーニングだろうか。
「はぁ〜い……あれっ、あなたは」
立ち上がった穂乃果と目が合う。
「同じクラスの坂木さん!」
「あ、どうも……」
ことりとも目が合い、軽く会釈する。
「お家、こっちの方なんだ」
「んっと、たまたま通りかかったんだ。
それより、ここで練習してるんだね」
「今朝から始めたんですけどね」
ため息をつきながら海未が説明する。
なんでも、とりあえずライブやるってことだけ決めて、その他の曲だったり振り付けだったりなどは何も決まってなかった模様。
なんというか、色んな意味ですごい、の一言。
「でも、海未ちゃんが考えたこのメニュー、なんだかすっごく体力つきそう!」
「続けられれば、ですけどね。ほら早く続きやりますよ」
「あっ、邪魔しちゃってごめんね」
「ううん、そんなこと。
じゃあまたね、坂木さん」
「うん、また明日。」
「ばいばーい!」
練習を再開する三人。
大きく手を振る穂乃果に振り返しながらボクは帰路へと戻る。
ふむ、思ったよりしっかり活動しようとしてるみたい。
何より、最初は否定的だった海未さんが真剣に練習メニューを考えて臨んでるのが驚きだった。
これなら期待できそう……かも?