BLEACH 短編

□恋なんてしないと思ってた
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今まで、恋なんて興味がなかった。

恋なんて邪魔なだけどだと思っていた。


.....でも、この気持ちを知ってから守るべきものが見つかった。

そう、あの人に出会ってから―――





















































春。
藍染の事件から約数か月。

私は完全に疲れ切っていた。
でも、それを顔には出すまいと必死に書類を片付けていた。



私が所属している隊は十番隊。


いつもならいるはずの日番谷隊長が今日はなぜかいないため、書類が大量なのだ。



『あ、お昼行ってきていいよ』


そう言うと、感謝の言葉を発してから休憩に行った。

本当なら私も休憩したいところだけど、できない。


だって、この書類がまだまだある。
時間がおしい。


恋「よっ!」


『あ、こんにちは阿散井副隊長。松本副隊長はいませんが』


恋「今日はおめーに用があんだよ」


『へ?私ですか?』



なんだろうと思いながら、阿散井副隊長を見る。


恋「明日、ここ行くぞ」


『....甘味屋ですか?』


恋「おう。お前疲れてんだろ?日番谷隊長には許可とってるから行くぞ」


『え、でも....』


恋「一人で頑張りすぎなんだよ!」


『いたっ』



おでこを指ではじかれ、おでこをさする。
....でも、よく気づいたなぁ....。


私、顔には出してなかったのに.....。


『じゃあ、お言葉に甘えて』


恋「明日の朝迎えに行くから、ちゃんと準備しとけよ」


『はい!』





たった、一度。
そう、この一度で私は恋に落ちてしまったのだ。


























































翌日。

着物に着替えて、正座をして阿散井副隊長を待っている。

ど、どうしよ。


変じゃないかな?

寝ぐせないよね?


いつもは髪をしばっているけど、今日は特別。

髪をおろしてみた。



『うぅ.....』



緊張しすぎて頭が沸騰する。



そう思っていると、外から声がした。



恋「平原、いるかー?」


『は、はい!今出ます!』



深呼吸して、扉を開ける。



『お、おはようございます。阿散井副隊長』


恋「よし、じゃあ行くか」


『はいっ』















































甘味屋について、阿散井副隊長が好きなたい焼きを買って食べた。


『おいしいですねぇ〜.....』


恋「だろ?」


『明日から頑張れますね!』



そう言うと阿散井副隊長が突然、真剣な表情を浮かべた。



恋「平原。」


『は、はい』


恋「お前は無理しすぎだ。」


『へ....??』


恋「朝早く来て書類やって、自分だって疲れてるくせに他の奴らは休憩いかせて.....。」


『な、なんで....』



恋「あぁ?好きだからに決まってんだろ。だから心配してんだよ」


『!!??!』




予想のしていなかった言葉が発されて、聞き間違いかと疑う。


....いやいや、阿散井副隊長が私を好きだなんておかしい。




恋「だから.....あんま心配させんな。こっちはいつお前が倒れるかヒヤヒヤしてんだ」


おでこをコツンと合わせ、そう呟かれた。




『え、え.....』



恋「....華穂」



『あ、はい!!!』



突然の名前呼びに驚きつつ返事をする。



恋「.....好きだ。」


『.....はい』


恋「だから、付き合ってくれ」


『.....はい』


恋「マジか!?」


『マジです』





くすくす笑うと、阿散井副隊長は気が抜けたのか私にもたれかかる。


.....この大きな背中を守れるぐらいに強くなろう。

初めての大事な人。



大切に、守っていきたい。









『これから、よろしくお願いしますね』
































笑顔でそう言った。
























































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