銀華乱舞
□危険なスカイダイビング
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ーー……
『んっ…』
あれ、なんかすごい前髪痛い。
ってか、風圧で痛い気がする。
あ、うちエアコンつけたままエアコンの下で寝ちゃってたのかな?
[地上まで残り1000m]
ゆっくり瞳を開く。
『……うん、これ夢だよね』
だってうち、
空飛んじゃってるもの。
フライアウェイだよ。
[地上まで残り800m]
『千ンン!うちには琥珀川のハクはいないけど、今そんな感じのシーンだよォォ!涙の代わりになぜか涎だけどォォ!』
[地上まで残り600m]
あ、まじ風圧やばすぎて涎がやばいんですけど。
うち一応ヒロインのはずなんですけど。
ってか_______……
『すみませーん。ガチで誰かそろそろうちを起こしてあげて下さァァい!うち空飛べてません!ただ落ちてるだけなんですゥゥ!下にある家とこんにちわしそうですゥゥ!ガチで
ヘルプミィィイ!』
[地上まで残り400m]
あーもうだめだー、これうち死んだわ。
骨とか砕けてただの肉片……いや、もう跡形もないかも……
飛び散りすぎて、犬夜叉みたいに紫紺の欠片ならぬ桜華の肉片を集めることになるかも。
もちろん主人公はお爺ちゃんとお婆ちゃんね。
[地上まで残り200m]
『……ぶっ!』
それは超うけるんですけど!
お爺ちゃんが犬夜叉役でお婆ちゃんがかごめ役とか……やばっ視聴率ある意味絶対高ェーよ!
ある意味高ェーよ!
[地上まで残り100m]
……あ"ぁぁぁ!
気紛らわそうとしても全然ダメだァァ!
もうダメだァァ!
『次回からおじ夜叉よろしくゥゥウ!』
うちはもう桜華の欠片になる覚悟を決め、瞳を閉じた。