雲外蒼天

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いつものように守備練習をしていると…
フラフラな状態の千代が来た。







大丈夫か、?







「監督…でっ、できました…!!」






「桐青のデータね!?」





千代の体はモモカンによって、受け止めれた。






「打者別のリードに対する投球、
投球に対する打球の方向、桐青の各打者の打席に立ち位置、
見送った球…、手を出したボールカウントと、
手を出した球のコース
実際に打った球のコースと打球の方向…


スミマセン…ホームビデオだと、ストライクゾーン4つに
区切るのがせーいっぱいで…」





「十分だよ!!!!
ありがとぉ!ありがとぉ!!!!」








気を失った千代にモモカンは思いっ切り抱きしめていた。

ちょっと…苦しそう…







『モモカン。千代運びますよ』





「ホント?ありがとうね!!」





モモカンから千代を預かり、
ベンチ横へ連れて行った。





『大丈夫か?
ごめんな…俺が手伝ってやれれば…』





「気にしないで、瑛君…。
私ね、瑛君が投げてる姿見るのすごく好きで…
だから…、私も頑張りたいんだ!」





『千代…ありがとうな。
でも、もう無理はすんなよ?


千代が倒れたら、みんな心配するし俺もするから』




「うん、わかった…」





『じゃあ、約束な?』




「うん、約束!」






指切りをしたあと、千代は寝た。
寝不足に成る程頑張ってくれたんだ…。




千代の頑張りを上手く使わないとな!











みんなの方へ視線を向ければ、
廉が隆也に"梅干"を受けていた。


梅干とは、米神をグリグリにするという
隆也の得意技…。





その様子と、悠と廉の会話を聞いて項垂れている文貴と一利と
普通な感じで、ボールを回す孝介に訊ねてみた。






『なんで、梅干やったんだよ?』





「あぁ、あれね…。」





「三橋が阿部にあれを見せたんだよ」




『あれって、ウインドアップか?』




「そう!
そしたら、阿部が三橋に梅干やったんだよ。」




『…意味がわからん』





「まぁ、そのあとに、阿部達はデータ解析に行って
田島が三橋の背中の1番が薄くなってるから弱気になるんだーっつて、
書き直して、『ノーサインで変化球投げようぜ!』とか
言ってたんだよ」





『詳しくサンキュ、孝介。
それでその会話を聞いて、疲れたり力が抜けているんだな』





「「そーいうこと」」




「俺は慣れたけどな」





『アイツ等といれば、慣れるよな…
俺の場合、悠とずっと一緒だからもう何とも思わねェや』





「「「すげェ…」」」





『いや、そんなすごくねェよ…』











それから孝介たちと別れ、ブルペンへ向かう。
其処には…先ほどの会話であったように、

作戦会議らしきものをやっていた。














「そーだ、そこはこうやってさ!」



「う、うん!!」




「そんで、ここでゲンミツに!!」





「うひっ、すごいな、田島君は!!」





『すごくねェよ!!
もうそんな話し合いはいいから、投球練習やれ!!!!』




「「ひぃぃ!!!」」




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