雲外蒼天

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6月某日、

今日は夏の全国高等学校野球選手権埼玉大会
まあ、簡単に言えば夏大の対戦相手の組み合わせ抽選会の日だ。







雑踏の多い抽選会場に並んでいるのだが、
さっきから視線がうっとうしくて仕方ない…。



理由は、1つある。





その1つとは、悠の一言で。







「俺たち全員1年だぜ!
でかくなるのは、これからだろ?」







この一言で、周りが一斉にざわついた。
そりゃそうだよな
1年しかいないとか言えば、みんな当たりたいなんて…思うのは





でも、そんなことで見んなよな…
チラチラざわざわ…




はぁー…








「やばい…お腹痛くなってきた
と、トイレに近いところに行きたいというか…」






「お、俺も…」




「お前もかよ
神経性のゲリなんてなっさけねェなァ!」




「ち、ちが、お、オシ「『どっちでもいいから、さっさといけ』」…うん!」






勇人と廉は、先にトイレへ向かっていった。





梓と一緒に…呆れてしまった。
いや、高校生にもなってな…


つか、勇人…神経性の下痢って…
それで試合は大丈夫なのか?




あと、もうひとり。
言葉が悪すぎる…。






『お、中に入れるぞー』




「よし、行くか!」



「「「「おー」」」」









中に入れば、高校生がたくさん居た。
こんなにもいるんだよな





今年は、170校の学校と競い合う。

此処で優勝しねェと…







甲子園にはいけないんだ。









「そういえば、三橋たち遅いな」




『俺、探してくるわ』



「おう、サンキュ」



「一応、三橋に電話しておくから
ここにいるって伝えてくれ」




『あいよー』






廉達はトイレに行ったんだよな
なら、ここの男子トイレかな?






男子トイレから、人がでてきた。
その人は…武蔵野の恭平さんだった。



何か急いでいるようで、走って出てきた。






『恭平さん、どうかしたんスカ?』




「あ!瑛!!

紙を貰いに、女子トイレ行くとこだよ」





『紙がないんスカ?』




「そうみたいなんだよね。

あ、スミマセン!」




「はい?」






ちょうどトイレから出てきた女子生徒に頼んで、
トイレットペーパーを2ロールもらってきた。




そして、男子トイレへ戻ってきた。





男子トイレには、元希さんと廉がいた。




恭平さんは紙を廉に渡した…。




ってことは、紙がなかったのは…勇人だったわけね。







『ありがとうございます、恭平さん』




「あはは、大丈夫だよ!
瑛たちも、頑張ってね」




『ありがとうございます!
武蔵野も頑張ってくださいね』





「瑛!
俺たちと当たっても、泣くんじゃねェぞ!!」





『泣きませんよ…
むしろ、嬉しいぐらいです!』





「嬉しそうに笑うなよ!!
(…可愛けど、ムカつく!!!!///)」





『俺は試合には出れないッスけど、
うちは、強いですからね?



あ、そろそろ行かないといけないんで
本日はこれで!』




「じゃあな、瑛!」






トイレで別れ、勇人が出てくるのを待ってから
3人でホールの中に入る。





ホールに入れば、梓が手を振ってくれた。





孝介の隣に、俺、その横に勇人、廉と並んで座った。
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