雲外蒼天

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今日から俺は、西浦に入学する。



「あき!」



『なんだよ。』



「俺達、高校でも同じクラスだぜ!!」



目の前には、幼馴染の田島悠一郎。
掲示板に書かれたクラス表を見て叫ぶ。




『そりゃー大変だな』




「なんでだよ!?」




『お前の面倒見なきゃなんねェから』




「ひでェ!」




『ほら、さっさと行くぞ?』




「おう!」





悠とは生まれたときからのお隣で幼馴染。
この幼馴染は、明るく単純で子供過ぎて面倒見ていないと
気が済まない…。




このような幼馴染を持てば、こうなっちまうだろうな。






クラスは、1年9組。







入学式が始まる前に担任の挨拶と説明があった。



真面目に聞こうと思うが眠くなり…寝た。





睡魔で朦朧とし始めたころ、何人かの返事が聞こえる。


きっと生徒の名前でも呼んでいるのか?




こりゃ、起きねェといけねェな






「田島悠一郎」




「はぁーい!!!」





「田島は、かなり元気があるな…
えっと、次は…こんどう、瑛」





「こんどう、こんどうは、いないのか?
…いや、順番がおかしいぞ…田島の次がこんどうって…」




「そりゃそうだよ!
だって、あきの苗字は"ちかどう"だもん!



起きろよ、あき!!」




『起きてるっつーの…
寝起きが悪いのは、お前が一番知ってんだろ?』





悠に揺さぶられ、気持ち悪くなる
ただでさえ、機嫌が悪いのに…。




「えっと、近藤(ちかどう)瑛で会ってんのか?」



『合ってますよ
だから、次は間違えないでくださいね?


俺、違う名前呼ばれても起きれませんから…』




「わかったから、寝るな!」




「「「「あははは!」」」





入学早々笑われた…。


ま、いっか。







担任の挨拶も入学式も終わった。
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