恋に落ちた海賊王*シン

□彼女の特等席
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ナギが航海室から出ると、ソウシと出くわした。


ソウシ『あゆみちゃん頑張ってた?』

ナギ『相変わらずシンに怒られてましたよ。』

ソウシ『ふふ…そうだ、ナギは気付いてた?』

ナギ『…何をですか?』

ソウシ『あゆみちゃんが座ってるあの椅子…あゆみちゃん専用だよね。』


その言葉に思わず眉をひそめるナギ。

シンのライバルでもあるナギはとうに気付いていたのだが…。
ソウシも分かっていてあえて言っているのであろう、意地が悪い。



基本的に航海室に人を入れたがらないシンが、あゆみだけは違う。

勉強だ、掃除だと理由を付けては傍に置いておく。
それは二人が恋人になる以前からの事だが、恋人になってからは余計にだ。


そして今彼女が座っている椅子は、シンが用意した物だ。

例え船長でも、あの椅子に座らせたりはしない…
いわば彼女だけの特等席なのだ。


鈍いあゆみは気付いていないだろうが、シンは口では意地の悪い事を言っていても、いつだってあゆみを特別扱いしているのだ。


ナギ(シンの独占欲も相当のモンだな…)


呆れながらもどこか悔しい気持ちで、ナギはまた一つ溜め息を吐いた。





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夕食の時間。


シン『あゆみ、早く座れ。』

「はーい♪」


シンに呼ばれ嬉しそうにあゆみが座るのは、勿論シンの隣。


そんな二人を見てソウシは微笑んだ。


ソウシ(あの椅子がっていうより…シンの隣があゆみちゃんの居場所だね…ふふっ)





■End■



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