恋に落ちた海賊王*シン

□夢の中でも…
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昨夜のこと―…



夜中にふと目が覚めたあゆみ。

普段は一度寝たら滅多に起きないあゆみだが、暑苦しさからか、珍しく目が覚めた。


静かな船内に何とも言えない不安に襲われ、体を起こしてシンに目をやる。

シンの寝顔なんてそうそう見れるものじゃないと、それだけでも嬉しくて顔が綻ぶ。


シン『…あゆみ…』


やばっ!
寝顔見てたなんて知られたら海の藻屑にされる!

そう思って急いで寝転がり、チラッと様子を伺うが…
シンを見るとまだ寝ている様で、ホッと一息つく。


シン『あゆみ…』


シンはもう一度名前を呼んだかと思うと、優しい笑顔を浮かべた。


「…!」


どんな夢を見ているかはわからない。
だけど大好きな人が名前を呼んで笑ってくれる。

それが嬉しくて嬉しくて…
あゆみは眠れるまでシンを見つめていた。





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その夜。


眠るあゆみを見つめるシン。

シン(幸せそうな顔して寝やがって。)


「シンさん…」


シン(こいつは夢の中でも俺の事を考えているのか?)


バカだな…
そう思いつつも沸き上がる“愛しい”という感情。

シンがあゆみに触れようと手を伸ばしたその時…


「シンさん…大好き…」

シン『!』


思ってもみないあゆみの寝言にシンは頬を赤らめた。


シン『こんなガキの寝言で喜ぶとは…俺も重症だな』


そんな自虐めいた言葉を吐きながらも、フッと笑みがこぼれる。


シン『俺もだ…』


そう呟いてあゆみの額にキスを落とし、髪を撫でるシン。

その表情は誰も見た事がない程優しい笑顔だった。





■End■



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