恋に落ちた海賊王*トワ
□夢の中でも…
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(遅くなっちゃった…トワくんもう寝てるだろうな…)
夕食の片付け、仕込みの手伝いといつもより遅くまでかかったナギの手伝い。
全てを終え急いで部屋へ戻ると、ベッドにもたれかかって座りこむ様に寝ているトワの姿が目に入った。
(もしかして待っててくれたのかな…?)
トワの優しさに、自然と笑顔になるあゆみ。
起こすのは申し訳ないと思いつつ、そのまま眠らせておく訳にもいかず、トワに声を掛けた。
「トワくん、風邪引いちゃうよ?」
トワ『うーん…あゆみさん…』
寝ぼけた様子であゆみの名前を呼んだかと思うと、そのまま抱きしめてくるトワ。
「ト…トワくん!?」
ビックリして動けずにいると、トワはポツリと呟いた。
トワ『あゆみさん…大好きです…』
「!」
自分でも真っ赤になっているのがわかる。
酔って抱きつかれた事も、“大好き”と言葉にされた事も、今までなかった訳ではない。
それがきっとトワにとって、特別な意味を持つ物ではないとわかっていても…
好きな人から紡がれるその言葉は、やはり嬉しさと照れくささがあって。
恥ずかしさに耐えきれなくなったあゆみは、慌ててトワを揺り起こした。
「トワくん!」
するとハッと目を覚ますトワ。
トワ『あゆみさん!?あわわ…ご、ごめんなさい!』
あゆみに抱きついている状況に、慌てて離れるトワ。
「あの…えっと…起こしちゃってゴメンね?風邪引いちゃうといけないから…」
トワ『そ、そうですよね!す、す、すみません!』
(そんなに謝られると余計恥ずかしくなっちゃうよー!)
真っ赤になった二人は、顔も合わせずギクシャクしたまま眠りについた。
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