恋に落ちた海賊王*ハヤテ
□夢の中でも…
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『あゆみ!』
ある日の真夜中。
ハヤテの大声で目が覚めたあゆみ。
「えっ!?敵襲…!?」
ビックリして咄嗟に体を起こしハヤテを見るけれど…
「ね、寝てる…」
よだれをたらしながら、時折小さなうめき声をあげて熟睡しているハヤテ。
寝言だとわかりホッとしてまた寝ようとすると…
ハヤテ『あゆみ…』
またしてもあゆみの名前を呼ぶハヤテ。
それが嬉しいやら恥ずかしいやら…思わず笑みがこぼれる。
「ふふっ…どんな夢を見てるんだろ?」
気になってしばらくハヤテを見つめていると、眉間に皺を寄せて一言…
ハヤテ『おいあゆみ!俺の干しぶどう食っただろ!』
ガクッ。。
(そうだよね…ハヤテさんだし…)
最近ハヤテを意識しているあゆみ。
夢の中だけでもいい。
ハヤテと近付けていたら…なんて淡い期待は無惨にも崩れ去った。
ハヤテ『バカヤロー!どんくせーな!』
(ちょっとちょっと!夢の中だからってそこまで言う事ないじゃない!)
何だか怒りが沸いてきそうになったその時…
照れたような、でも優しい笑顔で呟いた一言に、あゆみは頬を赤らめる。
ハヤテ『あゆみの事は俺が守るから…』
前にも“お前を守る”と言ってくれた事があるし、寝言だとわかっていても…
そんな事を言われたらやっぱり嬉しいに決まってる。
(こんなにドキドキするのは何故?
ハヤテさんを意識しているのは何故だろう?)
自分の本心にまだ気付かない疎いあゆみであったが、結局一晩中ドキドキが止まらず、寝れないまま朝を迎えてしまった。
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