恋に落ちた海賊王*ソウシ
□独り占め。
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ソウシ『あゆみちゃん!探したよ!』
「ソウシさん!」
ハヤテと甲板掃除の最中、ソウシが少し怒った様な表情で現れた。
ソウシ『今日は部屋で休んでる様に言っただろう?』
「これくらい大丈夫ですよ!」
ソウシ『駄目だよ。無理して熱が出たらどうするの?』
「でも…」
ソウシ『ここはハヤテに任せて。ハヤテ、いいね?』
ハヤテ『は、はぁ…』
有無を言わせないソウシの表情に、ハヤテはただ頷く事しか出来ない。
あゆみはハヤテに謝りながら、半ば強制的に部屋に戻された。
ハヤテ『今日はやたら過保護だな…』
今日はソウシが過保護だ。
いや、今に始まった事ではないのだが…いつも以上に酷い。
原因は朝、あゆみがくしゃみをした事から始まって…
ここ数日の気温の変化で風邪を引いた様なのだが、熱がある訳でもなく、あゆみ自身は休む程ではないと思っていた。
だが心配性のソウシは、これ以上酷くなってはいけないからと、ゆっくり休む様にと煩くて…。
みんなに迷惑をかけたくないとこうして仕事をしていたのだが、案の定連れ戻されてしまうあゆみ。
強制連行されるその姿に、何だか気の毒になるハヤテであった…。
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ソウシ『あゆみちゃん…やっぱり熱が出てるね。』
あゆみの手を引っ張るソウシは、朝よりも高い体温に気が付いて溜め息を吐いた。
ソウシ『無理をしない様にとあれ程言っただろう?』
「すみません…」
自分では気付かなかったが、改めて診てもらうと、熱が出てしまっていた様で。
ソウシ『とにかく今日はもう部屋で休む事。私の言う事を聞いてくれるね?』
「はい…」
あれ程気にかけてくれていたのに、結局悪化させてしまった事に申し訳なくなったあゆみは、ソウシに従って大人しく部屋で休む事になった。
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