恋に落ちた海賊王*シン

□トマラナイオモイ
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〜シン目線〜



愛だの恋だの、正直くだらないと思っていた。
誰かを愛しく思うなんて感情、俺には必要ないとさえ。

女なんて信用出来ないと、ずっとそう思ってきた。



あゆみが船長の部屋を選んだ時、あぁ、コイツも所詮女かと思った。

船長に取り入ってヤマトへ帰してもらおうとする、したたかな女だと呆れたものだ。



けれどあゆみは違った。

女の武器など使う事もせず(そもそも使い方すら分かってなさそうだが)、直談判なんて回りくどい事を真剣にやってのける、その船長相手でも物怖じしない強さ。

あの船長に酒と女を止めさせた時には、本当に驚いたものだ。


そして本意ではない船での生活も、必死に慣れようとする健気さ。



あの海賊王の船長さえ虜にしてしまったあゆみ。


こんなガキでチンチクリンで色気のカケラもない様な女の何がいいんだ。

船長の趣味を疑う…そんな気持ちが強かったはずなのに、すり寄ってくる女達とは違うあゆみの裏のない笑顔に、俺はいつしか惹かれていた。




この俺が、よりにもよって船長の女に惚れるなんてな…。





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