恋に落ちた海賊王*シン
□彼女の特等席
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「シンさんシンさん♪」
シン『…出来たのか?』
「はいっ!もーバッチリです!」
ある日の昼下がり。
日課である航海室での勉強をするあゆみは、シンに与えられた問題を解き終え、自信満々で差し出した。
シン『……』
(シンさん…本当に綺麗だなぁ…)
無言で答え合わせをするシンについ見とれてしまうあゆみ。
するとその視線に気が付いたのか、シンが怪訝な顔で溜め息をついた。
ピシッ!
「あいたっ!」
突然デコピンをされ、思わずおでこを押さえるあゆみ。
「な、何するんですかぁ〜(泣)」
シン『こんな時間に発情するとは…夜まで待てないのか?』
「は、発情なんてしてません!」
シンに顎を掴まれ、真っ赤な顔で否定するあゆみ。
だがシンは気にとめる様子もなく、話を続けた。
シン『そんな事より…』
(む、無視した!)
シン『自信満々な割に間違いだらけとはどういう事だ。』
「えっ?嘘!?」
バサッと返されたノートを確認してみると、見事にバツだらけ…
シン『やはりお前の頭は一度開けて見てみる必要がありそうだな。』
カチャリ。
いつもの様に銃をチラつかせるシンに、慌てるあゆみ。
「み、見なくていいです!!」
そんなやりとりをしていると、ノックの音と共にナギの声が聞こえてきた。
ナギ『飲み物持ってきた。』
シン『あぁ…悪いな、そこに置いておいてくれ。』
シンはチラっとナギを見たかと思うと、すぐにあゆみに向き直り、小言を言いながら勉強を再開させる。
それはまるで邪魔をするな、早く出ていけと言っている様で、ナギは溜め息をつくと早々と航海室をあとにした。
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